2017/11/06
(※2019/11/21 記事更新)
こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの『ぼす』です。
この記事は「バイクメンテナンス初心者なので、どんな箇所を点検すればよいのかわからない。」
もしくは「バイクメンテナンスを自分でやりたいけど、なんか難しそうだな?」と悩んでいる方に向けてまとめた記事になります。
記事の内容は20年間整備士をしてきた現役整備士の私の過去記事をまとめた記事になります。
初心者におすすめな基礎知識10項目まとめ
突然ですが、「ねんおしゃちえぶくとうばしめ。」って聞いたことありますか?
バイクに乗り出す前の日常点検(運行前点検)で、運転する人が点検する義務があります。
その際のバイクメンテナンスの点検項目を覚えやすくするための言葉です。
- ねん=燃料 (燃料の残量。燃料コックの向き。)
- お=オイル (エンジンオイル等が適量か。)
- しゃ=車輪 (タイヤ、ホイールに異常はないか。)
- ち=チェーン (チェーンの張り、損傷。)
- え=エンジン (エンジンの異音、排気の状態。)
- ぶ=ブレーキ (ブレーキパッド、ブレーキ液量。)
- く=クラッチ (クラッチ調整は適切か。)
- とう=灯火類 (ライト、ウインカー、テールランプ)
- ば=バッテリー (バッテリー電圧、使用年数。)
- しめ=締める (車体各部の締め付け。)
簡単に書くとこうなりますが、10項目それぞれ細かく内容を説明していくと長くなるので、私が書いた関連する過去記事のリンクを貼りました。
なお、私が初心者の方におすすめするメンテナンスの本はこちらになります。
燃料(ガソリン)は入っているか?
出かける前にガソリンタンクの中にガソリンが残っているのかを確認する。
ツーリングから帰って来て、自宅にバイクをしまう前にガソリンスタンドで満タンにする癖を付けておく。
ガソリンは漏れていないか確認をする。
具体的には燃料タンクから出ているホースはゴム部品なので古くなると劣化して、固くなったりひび割れしたりしてガソリンが漏れてくることがあります。
その他に、長期間(一年以上)乗らなくてガソリンタンクの中のガソリンが変質して ガソリン自体の性能が低下してエンジンがかからなくなる事があります。
そのガソリンが変質して『ガソリンが腐る』とはどういう事かを記事にまとめました。
『ねん=燃料』
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オイルは適正量入っているか?
出かける前に必ずチェックしてほしいのが『エンジンオイルが漏れてきていないか?』です。
新車はまず、滅多にエンジンオイルが漏れている事は少ないですが、中古車になるとエンジンオイルが漏れてきている車両は多いです。
(新車からエンジンオイルが漏れているどこかのコントみたいな国のバイクは例外ですが……)
エンジンオイルが漏れてきているという事はエンジンオイルが減ってきているという事です。
エンジンは排気量の大きい物はエンジンオイルの容量も多いですが125cc以下の車両のエンジンは容量が1リットル以下と少ないです。
ですので同じようなエンジンオイルの漏れ方なら、排気量の少ないバイクのエンジンオイルの方がすぐに減っていくので こまめにチェックする必要があります。
エンジンオイルのチェックの仕方は、エンジンオイルの油面位置が点検窓のアッパーレベルとロアーレベルの間にあれば適正量エンジンオイルが入っているという事です。
点検窓がついていない車両は『オイルゲージスティック』が付いているタイプの車両がほとんどです。
このオイルゲージもアッパーレベルとロアーレベルの間にオイルの油面位置が有れば、エンジンオイルが適正量です。
またエンジンオイルには沢山の種類があり、オイルが減っているからといってどんなオイルでも補給して良いわけではありません。
エンジンの種類によっては同じバイク用のエンジンオイルでも使って良いものと、使ってはいけないものがあります。
エンジンの種類とエンジンオイルを選ぶ基本的な考え方の事を下の記事でまとめました。
『お=オイル』
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タイヤやホイールの状態は良いか?
ホイールは歪んでいないかや亀裂が無いかを日頃からチェックします。
スポークホイールはスポークが緩む事がありますが調整方法が難しいので点検してゆるんでいたらプロに任せるのが無難です。
タイヤの空気圧は適正に調整する必要があります。
その他にも
- タイヤに釘などの異物が刺さって空気が漏れていないか?
- タイヤの接地面はスリップサインまで磨耗していないか?
- タイヤが古くなっていたり使用年数は長くないか?
- タイヤにひび割れや硬くなっている箇所はないか?
などの項目をチェックする癖をつけておきましょう。
タイヤの劣化、磨耗、点検方法について下の記事にまとめました。
『しゃ=車輪』
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タイヤの点検や、チェーンの清掃、調整にあると便利なメンテナンススタンド。
チェーンの調整は適正か?
チェーンはサイズにもよりますが、意外と早く磨耗したり伸びたりするので「気が付いたらチェーンがダルダルになってた」なんて事があります。
500㎞~1000㎞に1回は点検して、チェーンの張りが適正かどうかチェックします。適正範囲外であれば調整して、ついでにチェーンの清掃と給油もします。
また、雨天走行してそのまま放置してしまった場合などはチェーンが錆びてしまう事があります。
錆びたチェーンのまま走行すると磨耗するのは一気に早まるので注意が必要です。
チェーンの清掃、給油、点検、調整について下の記事にまとめました。
『ち=チェーン』
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エンジンの状態(音や排気の色など)
エンジンの日常点検ですぐにチェックできるのは、エンジンから変な異音が出ていないか?
エンジンが暖まって暖気運転が終わっても、マフラーから濃い色(青白い)の白煙が出てはいないか?
または、濃い色の黒い排気ガスが出ていないか?等は日常的にすぐにチェックできる項目です。
また、オイルの項目でも言いましたがエンジンオイルは適正量入っているか?
エンジンオイルは漏れていないか?も同時にチェックできます。
万が一、エンジンがかからなってしまったらどうすればよいか?
エンジンがかかるためには3つの条件が必要なんですが、基本的なエンジンが始動する為の条件について下の記事はまとめてあります。
『え=エンジン』
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ブレーキパッドの消耗状態の点検や調整
ブレーキの日常点検ですぐにチェックできる項目は、ブレーキパッドの残量があるかどうか?(基本的には覗きこんでも見えにくいです。)
ブレーキディスクに大きなキズや歪みがないか?ブレーキディスクにガタは無いか?
ブレーキホースはひび割れや劣化、硬化していないか?
ブレーキフルードは適正量入っているか?
ブレーキフルードは漏れていないか?
ブレーキフルードは汚れた色になっていないか?
ブレーキが引きずりを起こしていないか?
ブレーキレバーの遊び調整は適正か?
ブレーキは効くか?
ブレーキから嫌な異音が出ていないか?などは簡単にチェックできます。
下の記事ではブレーキからの異音について5つの原因と対策をまとめてあります。
『ぶ=ブレーキ』
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クラッチワイヤーの遊び調整等
クラッチの日常点検でチェックできる項目はクラッチワイヤーの遊び調整やクラッチワイヤーの可動範囲が適正であるか?
クラッチレバーを握った時にクラッチワイヤーが新品状態に比べて重たく無いか?
クラッチワイヤーの給油状態は適正か?
油圧式クラッチならクラッチフルードは適正量入っているか?
クラッチフルードは漏れていないか?
クラッチフルードラインにエアが混入していないか?
クラッチは切れるか?クラッチは滑っていないか?
下の記事ではクラッチが滑る原因とクラッチが切れない原因をまとめてあります。
『く=クラッチ』
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ウインカーの正常な点滅状態の点検等
ウインカーは正常な点滅速度があります。早すぎても遅すぎてもいけないので、走行前のチェックが必要です。
ウインカーレンズの割れやテールランプのレンズの割れなども、道路運送車両法に違反しますので点検が必要です。
ヘッドライトもハイビーム、ロービームの点灯するかのチェックをしましょう。
テールランプは通常時は尾灯が常時点灯していないといけません。もちろんブレーキをかけたら(かかり始めから)ブレーキランプが点灯しなければいけません。
ナンバー灯も常時点灯状態でなければいけませんので毎回チェックしましょう。
たまに見かけるのですが、ウインカーをカスタムでLEDの物に変えた車両で高速点滅のまま走行しているのは整備不良になります。
ウインカーをLEDに交換した時に高速点滅する時の原因と対処法について下の記事にはまとめてあります。
『とう=灯火類』
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バッテリーの状態の点検
日常的にバッテリーを点検すると言ってもバイクの場合はバッテリー自体が工具がないとアクセスできない場所にあることがほとんどです。
では、バッテリーを日常的に点検するにはどうすればよいか?
それはいくつか方法がありますが、1つはあらかじめ『バッテリー電圧計』を取り付けて管理する方法があります。
バッテリーの寿命はだいたい3年から5年位なので、交換した日付を記録しておくだけでも安心感が違います。
日常的にチェック出来るバッテリーの状態を予測する方法は、エンジン始動時にセルを回す時にセルの回り方が弱くないか?
ヘッドライトが暗くなっていないか?などを気にかけているだけでバッテリーが弱っていると予測できます。
万が一バッテリーがあがってしまったらどうすればよいか?下の記事ではあらかじめ準備できるバッテリーあがりの対策などをまとめてあります。
『ば=バッテリー』
各部のボルトやナットの締め付け確認
日常的にボルトやナットに工具をかけて締め付け確認をできればベストですが、実際にはそれをしている人はほとんどいないでしょう。
では、簡単に『ついでに』普段から出来る締め付け確認とは…
それは……『洗車をする!』事です。
愛車は皆さん日頃から綺麗にしておきたいものです。
だからそのついでに色んな箇所のボルトやナットを触ってみれば良いのです。
明らかに取れそうな位ゆるんでいるボルトやナットは手で触るだけで回ったりするので気が付きます。
また、洗車をしながら目視点検も出来るので『いつもと違うかも…』という違和感に気が付いたりできるのです。
これが洗車は整備の基本であると言われる理由です。
下の記事では車体の締め付け確認やトルク管理についてまとめました。
『しめ=締め付け』
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バイクメンテナンスのまとめ
【ねんおしゃちえぶくとうばしめ】
基本的な日常点検の項目なので、目視だけで点検するのはサッとすぐに出来ます。
深く掘り下げ、細かい所まで気になりだしたら、時間が足りなくなって、丸1日点検、整備デーになってしまうのでご注意を❗✋
天気の良い日☀はなるべく乗りたいですよね。
何事もなく良いバイクライフをご安全に。