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ブレーキキャリパーのスライドピンの固着はなぜ起こるのか?

2019/11/17

 

こんにちは。フリーランス整備士のぼすです。

 

ブレーキキャリパーにスライドピンという部品があるのですが、ブレーキパッドやブレーキキャリパーのピストンの状態を気にする人はいても、スライドピンの状態を気にする人は少ないのではないかな?と個人的には思っています。

 

そもそも、スライドピンの存在じたい知らない人やスライドピンがついている意味すら知らない人も多いです。

 

今回は少しブレーキキャリパーのスライドピンについて解説します。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因は?

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ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因は錆び付きです。

 

まずグリス切れが起こり雨水などがピンとブーツのすき間に浸入してスライドピンの錆び付きが起こります。

 

実際には錆び付いてスライドピンが固着するひどい状態になるには、かなりの年数を放置しないとならないと思いますが、実際に乗っている車両でも何年もノー・メンテナンスだとスライドピンは錆びて表面がガタガタになっていたりします。

 

ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因はこれが全てです。

 

ここで記事を終わらせてもよいのですが、実際にスライドピンの固着状態を見てしまったら見て見ぬふりをするわけにもいきません。

 

参考動画↓

 

 

ここからはブレーキキャリパーのスライドピンの役割と交換について解説します。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンの役割は?

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ブレーキキャリパーのスライドピンの役割ですが、シンプルに『キャリパーじたいがスライドするため』です。

 

ブレーキキャリパーには対向4ポッドピストンや片押しの2ポッドピストン等の種類がありますが、片押しのキャリパーの場合はキャリパーじたいを動くようにしておかないと、ブレーキパッドが均等にブレーキディスクを挟むことが出来なくなってしまいます。

 

これが、スライドピンの役割であり付いている理由であります。

 

 

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンのグリス切れとは?

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ブレーキキャリパーのスライドピンのグリス切れとはそのままの意味ですが、あえて言うならスライドピンにはスムーズにスライドさせるためにグリスが塗ってあります。

 

このスライドピンのグリスは年数が経つと固形化してきたりして、乾燥してしまいます。

 

固形化したグリスは潤滑性が劣るのでスライドピンの動きが悪くなります。

 

この状態がスライドピンのグリス切れですね。

 

参考動画↓

 

ブレーキキャリパーのスライドピンはガタがあるのが正常なのか?

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ブレーキキャリパーのスライドピンにガタがあるのが正常な状態なのか?についてですが、結論から言うとガタがあっても正常です。

 

スライドピンはスライドして機能しています。

 

ピンがスムーズにスライドする為にはすき間にグリスが無いとピンが磨耗してしまいます。

 

しかし、極端にガタが大きいものはスライドピンが異常に磨耗していることが考えられるため分解してスライドピンの点検が必要です。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンのゴムは何のためにあるの?

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ブレーキキャリパーのスライドピンのゴム(ブーツ)はスライドピンに塗るグリスを保持しておく役割と、スライドピンに砂ぼこりや雨水が直接つかないように、ダストブーツの役割もあります。

 

 

 

スライドピンのゴムは消耗品です

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ブレーキキャリパーのスライドピンのゴムは破れていなくても定期的に交換した方がよい消耗品です。

 

これはゴム部品の全てに言えることですが、ゴム部品は経年劣化で固く変質したり、目に見えないひび割れなどが絶対に起こるため、砂ぼこりや雨水が侵入してしまいます。

 

雨水などの水分のほかに、湿気が多い場所での長期保管でも錆が発生してしまったりするので湿気が多い日本では特に長期放置車両は要注意ですね。

 

長期放置車両のスライドピンのゴムはケチらずに定期的に交換しましょう。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンの交換方法

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ブレーキキャリパーのスライドピンの交換方法ですが、スライドピンの頭が普通のボルトと同じように六角形になっているピンと、上の写真のようなボルトの頭にピンが付いているような形状のものが一般的です。

 

普通のボルトと同じような形状のスライドピンは交換の説明は要らないかと思いますが、上の写真のようなスライドピンにはたいていの場合『ネジロック剤』が塗り付けられているので緩める際は固いと思います。

 

工具も厚みがうすいスパナ(だいたい12mmがほとんど)しか使えない場合が多いです。

 

このタイプのスライドピンはキャリパーサポート(スイングアームなどに固定されている部分)に取り付けてあり、ブレーキキャリパーを先に外そうにも外れないようになっています。

 

スライドピンを外す手順は以下になります。

 

  1. ブレーキパッドを外す。
  2. スライドピンの取り付けを緩めて、ブレーキキャリパーと一緒に取り外す。

 

スライドピンを交換するなら、ブーツ(ゴムの部品)もセットで交換しておきましょう。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンはバイクだけに付いてるの?

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ブレーキキャリパーのスライドピンはバイクも車も重機でも付いています。

 

一般的な片押しのディスクブレーキであれば、一部の特殊なブレーキキャリパーをのぞいては、ほぼ、ほとんどのディスクブレーキに備わっていると言っていいでしょう。

 

 

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