2018/04/05
(※2019/12/15 記事更新)
こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの「ぼす」です。
今年の冬は、寒気が強く北陸では大雪になりました。
我が家の周辺も、一晩で積雪70~80㎝を記録しました。
そんな大雪のまっただ中で、私のポンコツステップワゴンのエアコンがぶっ壊れてしまいました。
その症状は……
『温風が出ない❗』
(結果的には、『ヒーターレジスター』なる部品が壊れていて、それを交換したら直ったんですが、なぜその部品が故障していると判断したのかを詳しく解説していきます。)
なんの前触れも無く、いきなりぶっ壊れやがったと思ったんですが、よくよく思い出して見るとオートエアコンなのに、設定温度になってもずーっと最強でファンが回ってた事に気が付きました。
エアコンが効かない原因をいろいろ推測して故障箇所を調べた。
私のステップワゴンはRF3型です。
はい、いわゆるポンコツですね。
走行距離もだいぶ延びてきたので、いろんなところが壊れてくるのを覚悟しなければなりません。
ファンモーターが回ってない
まず、風が吹き出し口から出てこないって事で、かぜを送り出す『ファンモーター』を疑いました。
ファンモーターが回っていれば、風が出てくるし、ファンが回る音がします。
確認したところ……
回ってません。
という事は、「ファンモーターを交換すれば直るじゃん。」
って思うでしょう?
しかし、単純にはいきません。
なぜなら、ファンモーターが壊れる前兆がなかったからです。その前兆とは、『異音。』です。
モーターからの異音は無かった
『シロッコファン』というタイプのファンモーターが付いているのですが、このタイプのファンは軸のベアリングなどが磨耗して、異音が出て壊れる事が多いからです。
【参考記事 ↓ 】
www.garage-blogger.com
で、異音が出ずにいきなりファンが回らなくなったという事は、なんらかの原因でファンモーターに電気が流れていないという事が考えられます。
ヒューズは簡単に点検できる
一番最初に見るところで、一番簡単に点検できるのが『ヒューズ』という過電流をふせぐ部品です。
車によってヒューズが取り付けてある『ヒューズボックス』のある場所がちがいますが、だいたいの車種は運転席か助手席の足元の上、に付いてます。
エンジンルーム内にも、『ヒューズボックス』は有ります。
何かが原因で『電気回路がショートした』とかで過電流が流れた場合、電気部品を保護する為にこの『ヒューズ』が切れて、それ以上の電気が流れないようにします。
で、エアコンファンの絵が書かれている箇所のヒューズを点検したところ、切れてません。
念のため、その他のヒューズも全てチェックしましたが、ヒューズはどれも切れてません。
「では、なぜ??」ってなりますよね。
エアコンを調べる為にテスターを使用
ここからが『テスター』の出番です。
テスターとは、電流、電圧、抵抗、導通などを測れる点検道具です。
【参考記事 ↓ 】
車やバイクのバッテリーあがり対処方法と上がらせない為の管理方法 - がれーぢブロガー
まず、見るのがファンモーターに電気が流れているのか?という事。ファンモーターに取り付けてある、『配線カプラー』を外します。
テスターを電源線にあてて、エアコンのファンをONにします。電気が来ていれば、12ボルト以上の電圧が表示されます。
で、テスターの表示は、0ボルト。
という事は、モーターに電気が来ていません。
ヒーターブロアレジスターがエアコンが動かない原因?
『では、エアコンのコントロールパネルから、ファンモーターまでのあいだに、電源を遮断している、なにか疑わしい部品があるのでは?』と思い、いろんな方のブログを調べてみると…… ありました!
似たような症状を調べてみると『ヒーターブロア・レジスター』なる部品がどうやら疑わしいという推測になりました。
『ペタラチェ』が外しにくい場所のビスには使える
上の写真の白い三角形っぽい形の部品がヒーターブロア・レジスターなる部品です。
スクリュービス3本で取り付けてあるんですが、奥側のビスだけ、プラスドライバーを当てにくく、かなりはずしにくいです。
奥側のはずしにくいビスには、このペタラチェという工具を使用しました。
ベッセル(VESSEL) 板ラチェットドライバー ペタラチェ TD-76
ベッセル(VESSEL) 板ラチェットドライバー ペタラチェ TD-76
これが取り外した疑わしき部品。
『ヒーターブロア・レジスター』です。
かなり汚れています。
※電装品を脱着する時はバッテリーのマイナス端子を外しておく!
車でもバイクでも、電装品(電子部品)を脱着するときは必ず、車両のバッテリーのマイナス端子くらいは外しておきましょう。
(電子部品のコンデンサ内部に溜まっていた電気が脱着の際に放出されたりするとその部品自体が故障してしまったりするのをふせぐためです。)
ヒーターブロアレジスターの抵抗値や導通確認
このヒーターブロアレジスターが故障しているかを見極めるには、【抵抗値】を調べれば、だいたいの判断ができます。
メーカー純正のサービスマニュアルなどには、正常な部品の抵抗値の測定値などが記載してあったりしますが、本職のメカニックでもない限り、お目にかかることはないので、かんたんに抵抗値で判断する方法は、明らかに異常な数値で判断します。
例えば、内部で断線しているとします。すると抵抗値は明らかに過大な数値を表示したりします。
また、回路ショートなどの場合は、導通があってはいけない箇所が導通がある表示が出るので、異常と判断できます。
基準となる正常な抵抗値がわからない時は?
どの抵抗値が異常なのかがわからない人にも、かんたんに故障しているかを判断できる方法があります。
『正常な部品と抵抗値をくらべる方法。』です。
ただ、予備部品を持っている場合に限られますが、ヤフーオークションなどで、作動確認済みの中古部品を入手するという方法もあります。
(新品部品を買うよりはかなり安く入手する事もできます。)
ちなみに私のこの部品は、送料込みで2000円くらいの中古部品です。
部品の各端子間の抵抗値を測っていきます。
端子間ごとの抵抗値を正常な部品と、故障と疑わしき部品を比べていきます。
この方法で計測した数値が、正常な部品と明らかに違っている場合は(抵抗値が異常なほど過大である等)、サービスマニュアルなどを持っていなくても、まず故障していると判断できます。
ただ、この方法で計測した数値が微妙にしか違っていなかった場合は、また、別の箇所が故障している可能性があるので、購入してしまった部品がムダになる可能性があります。
『みんカラ』などの車種ごとの壊れやすい部品の情報を調べる
私の車種の場合はたまたまネット上で故障の情報が多く発見できたので、故障の症状から推測して、まず間違いなく『ヒーターブロア・レジスター』だろうと判断してヤフーオークションで落札しました。
(違ってても2000円くらいなら、まあいいかってのもある😅)
ファンモーターに電気を流して確認
で、測定した数値から判断して、まず間違いないだろうと、部品を交換して、外したファンモーターも取り付ける…………のですが、その前に念のため、
ファンモーターの端子に直接、12ボルトの電源を入れてファンが回るか確認をします。
方法はかんたんで、要らない配線を適当な長さにカットしたものをファンモーター端子に取り付けて、外したバッテリーなどから、電源を入れて点検するだけ。
(12ボルト以上あるかテスターで確認。)
無事にファンモーターが回るのを確認出来たので、取り付けます。
ファンモーターも一番奥側の取り付けボルトが工具をあてにくくて、少し苦戦しました。
画像では見えにくいですが、奥側は極端に狭いです。
私が使用した工具は、参考までにこんな感じです。
普通のラチェットの中間にユニバーサルジョイントを取り付けました。
最後にバッテリーをつないで試運転
最後にバッテリーの取り外したマイナスを接続して、試運転します。
この瞬間がいつもドキドキします。
結果は…………
ファンが回った~!
あったけえ~!(*´∀`*)
正常にエアコンが動くって有り難いです。
真冬に壊れると、窓ガラスも曇りますから、大変でした。タオルで窓拭きながら、通勤してました。
故障箇所の判断して部品が届くまで、一週間くらいはあったでしょうか( ;∀;)
【まとめ】テスターの使い方をマスターしておけば故障箇所の特定もできる
電気部品(電子部品)の故障って、なんか専門的でわかんねえわ😵🌀って人も多いと思います。
しかし、基本的な電気の特性や、テスターの使い方などをマスターしておけば、だいたいの故障箇所の特定は出来ます。
車でもバイクでもある程度の故障箇所をエラー信号で教えてくれるモードも有りますし、メーカーごとの故障診断機(外部診断機)を接続すれば、部品交換時の初期値設定などもできます。
(普通はサービスマンしか触れませんが)
故障やトラブルをひとつずつ解決していくと、自分の自信にもつながるので、直った時はうれしいもんです。
自分でやってみようってチャレンジは良いことです。
ってな感じ!
おわり!