2018/02/04
(※2019/12/15 記事更新)
こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの『ぼす』です。
この記事ではトライクやサイドカー、又は最近流行りの『NIKEN』などの3輪だけどスイング機構のあるバイクについてまとめました。
タイトルの結論を先に言いますと、トライクと呼ばれる乗り物はヘルメットは要りません。
(ヘルメットの着用義務が今のところはありません。)
そしてサイドカーはヘルメットが必要です。
では、トライク=3輪のバイクという イメージですが、3輪のバイクの形をした乗り物は全てがトライクに該当するのか?というと、そうではありません。
トライクの定義は、3つの車輪が二等辺三角形になるように配置した乗り物で、『3輪の普通自動車』に該当しますので、免許の区分は普通自動車になります。
では、3つの車輪が二等辺三角形に配置された『NIKEN』や『トリシティ』などの3輪の乗り物はどれもヘルメット被らないでいいのか?というと、これは間違いです。
『NIKEN』や『トリシティ』は「車体が傾くことで曲がる構造」なのでバイク(自動二輪)と同じ扱いになります。
NIKENやトリシティやピアジオMP3などは『2輪車とみなされるトライク』にあてはまりますので、ヘルメットは必要です。
また、トライクやサイドカーはその見た目から、運転免許はどれが必要なのか?という質問も多いです。
今回はそんな3輪の乗り物について、少し解説していきます。
なお、この記事を書いている筆者である私はバイクやサイドカー、トライクをメインに扱っているバイクショップにてメカニック経験があり、約6年間バイクショップに勤めました。
ヘルメットの着用義務が有る3輪の車両
冒頭にも言いましたが、結論を先に言うとトライクはヘルメットの着用義務がありませんが、同じような3輪の車両でもヘルメットを被らなければいけない車両は、サイドカーと車体のスイング機構のある3輪車です。
- サイドカー(側車付き2輪車)
- 車体のスウィング機構のある3輪車
1・サイドカー(側車付き2輪車)
2・車体のスウィング機構のある3輪車。
・代表車種
(ジャイロ、ピアジオMP3、トリシティー、NIKEN、等。)
- 主にコーナリング時の車体の姿勢変化で車体が傾く車種。
(基本的に2輪車と同じ、車体を傾けて曲がる車種)
- サイドカーのカー側のタイヤが路面から浮いたり等、(サイドカーはイン側に側車があるとコーナリングスピードによっては浮く。)転倒の危険性が2輪車と同等の車種は、3輪でもヘルメットを着用しなければならない様です。
そもそもトライクの定義とは?
トライクは、3つの車輪が車両中心線に対して左右対称な二等辺三角形に配置されたオートバイである。三輪バイクと呼ばれることもある。前輪が2輪で後輪が1輪のトライクは逆トライク、リバーストライクとも呼ばれる。 ウィキペディアより引用。
1・サイドカーはヘルメットが必要です
たまに、トライクがヘルメットの着用義務がないので、サイドカーもヘルメット不要と思っている人がいますが、サイドカーはヘルメットの着用が義務づけられています。
サイドカーは運転時の車体の挙動や安定性が、トライクに比べると、とても不安定なのりものです。
その為、サイドカーを運転するにはクセのある独特の挙動を理解して練習しないと、いきなり公道に出て走るのは危険であると私は考えています。
サイドカーは側車(舟とかカー側とか呼んだりもする)がバイクの車体の右側もしくは左側に付いているものがあります。
駆動輪は基本的にはバイク側の後輪です。
(基本的にとは、サイドカーにもロシア製のウラルとかが側車側のタイヤを駆動させる為に、ドライブシャフトと接続、切り離しを備えている機構の車種が有る為。)
ヘルメットはもちろん必要で、免許は自動二輪が必要です。
排気量が125CC以上であれば高速道路も乗れます。
2・トライクはヘルメット必要無し
http://trike-j.com/top/lineup/bigbike/gsx-1300trike-j.com
隼のトライクって1度だけ見たことありますが、迫力ありますね!
カブ110トライク↓www.captain.ne.jp
トライクは後輪が2輪左右対称の位置に取り付けられ、ドライブシャフトやチェーン(ベルト)駆動で動力を後輪に伝えているものが一般的で、バックギヤを備えているものも有ります。
(トライクは現在の道路交通法では、四輪車に区分されているので、普通自動車免許で運転できます。ヘルメットの着用義務は有りませんが、今後どうなって行くかは、わかりません。)
(道路運送車両法では、側車付きオートバイまたは側車付き軽二輪に分類されるので排気量が250cc以下なら車検はありません。)
また、普通自動車免許がAT限定の人でも、トライクのベース車両がスクーターなどの物なら、そのままの免許で乗ることが出来ます。www.autopartsmap-co.jp
3・サイドトライクはヘルメット不要
(見た目はサイドカーでも分類はトライクという、かなり特殊な分類)
サイドトライクは一見するとサイドカーの様に見えるのですが、この車両の後輪は左右がドライブシャフトで繋がっており、左のバイク側の後輪も、外側にオフセットされているので、車両の安定性や操作性、挙動から、トライクに分類されている様です。
なので、ヘルメットは現時点では装着しなくてもよいらしいです。
免許も普通自動車で大丈夫です。
ロシア製のサイドカーウラルは特殊?
ただ、サイドトライクの分類が非常に曖昧でわかりにくく、ドライブシャフトで左右の後輪が繋がっていればトライクなのはわかるのですが、ウラルの様に挙動がサイドカーと同じものも、どうやらサイドトライクに分類されているようです。
ウラルとはロシア製のサイドカーで、悪路走行時に動力を船側の車輪に伝えることが出来る動力切り替え機構が付いています。
(このロシアのウラルサイドカーがサイドトライクなのか、サイドカーなのか、その辺の事を明確に定義している情報を見つけられませんでした。)
※2019年4月30日追記
サイドカーとトライクの定義についてWikipediaにわかりやすい図解がけいさいしてありました。
ウラルはサイドトライクに該当します。
4・リバーストライクはヘルメット不要
(※T-REXはヘルメット着用義務は有りませんが、ハンドルがバーハンドルでは無いし、跨がり乗車ではないのでトライクには該当しません。)
通常のトライクの逆バージョンです。前輪が2つになり、ステアリング機構に連動して、車の前輪の様に左右にタイヤが動きます。
駆動輪は後輪の1輪のみです。
通常の後ろ二輪のトライクと同じで、ヘルメットの装着義務はありません。免許も普通自動車でOKです。
www.garage-blogger.com
法律がどうであれトライクでもヘルメット着用したほうが良い
ヘルメット着用について、去年サイドトライクによる死亡事故が発生しており、その事について、詳しく書かれているサイトがありますので、リンクを貼っておきます。
https://news.webike.net/2017/09/29/116216/
サイドカーとトライクは直進時とコーナリングの安定性も、まったく異なる乗り物で、それぞれ挙動に慣れるまで時間がかかります。
そこに、サイドトライクという中間に位置する乗り物も増えて、サイドカーとトライク両方の特性や挙動、構造まで理解している人にしか乗れない(安全のため、理解している人にしか乗ってほしくない。)車両が有ります。
【まとめ】ヘルメットの着用が義務づけられていなくても着用したほうが良いよ
トライクはヘルメット無しで、気持ちよく爽快に走れる乗り物です。
結局、法律的な区分では、ヘルメットの着用義務の有り無しが分かれているのですが、安全に長生きしたかったら、トライクでもヘルメット着用をお薦めいたします。
実際に私の友人でDN-01トライクでコーナーでひっくり返った人がいるので、トライクは転倒しないという思い込みは危険です。
(その方は常にヘルメットは被っている方なので軽症で済みました。)
無理をせず安全運転で走りましょう。
トライクやサイドカーに興味を持った方におすすめする記事。
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