(※2019/12/21 記事更新)
先日、友人からの仕事依頼でBMWミニのオルタネーター交換をしました。
BMWミニのオルタネーター交換は、ハッキリ言って「めんどくさい!」です。
ってか、エンジンルーム狭すぎる車種はどんな車もやりにくいんですけどね。
今回の記事内容はBMWミニのオルタネーター交換修理記録となっておりますが、私のようにめんどくさいやり方をしなくても「簡単に交換できるよ。」という人の参考にはならないと思います。
オルタネーターとは何か?
オルタネーターが何かをしらない人に説明させてもらいますが、知っている人は読み飛ばしてください。
オルタネーターとはエンジンの周辺に付いている『発電機』のことです。
バッテリーはオルタネーターで発電した電気を蓄えて、エンジン始動時のセルモーターを回す力や、カーエアコンを作動させるのに必要な電気エネルギーを消費してしまうので、エンジンが回転している間は常に充電してやる必要があります。
オルタネーターが故障してしまってはバッテリーに電気が充電されなくなるので、バッテリー上がりの原因にもなり、エンジンがかけれなくなったりします。
オルタネーターの異音?BMWミニの修理記録
通常、オルタネーターを交換する場合って『発電してない。』から交換するのが大半ですが、今回のBMWミニは違っていました。
エンジンルームからは『カラカラ音』が聞こえてきて明らかに何かが外れかかっている異音がしています。
オルタネーターのプーリーがもげそう!?
はい、オルタネーターのプーリーが見事にかたがっております。
そしてベルトは外れて脱落しております。
このような状態になるまで気がつかないものなのか疑問ですが、オーナーさんはこの状態で走行してきたそうです。
オルタネーターの交換作業
記事の冒頭で言いましたが、BMWミニのオルタネーター交換はめんどくさいですね。
フロントバンパーを外して、フロントのアルミフレームをはずして、ラジエターの取り付けステーを半分ぐらい外して、ラジエターをずらしてできたすき間から工具がやっと入るぐらいの感じです。
下からも工具は入りますが、なにせローダウンしてあって車高が低いのと、リフトが無いのでフロントバンパーを外す作戦で交換作業をすることにしました。
オルタネーターのベルトも新品に交換
オルタネーターを駆動しているベルトはエアコンのコンプレッサーや他の機器も同時に駆動しているのですが、このベルトが外れてしまったり切れてしまったりしたら、エアコンが効かなかったりパワーステアリングが効かなくてハンドルが重たくなったりします。
今回のBMWミニはベルトが切れてなかったですが、ベルトが外れていたのでエアコンは効かなかったはずです。
ちょっと写真が分かりにくいかもしれませんが、オルタネーターのベルトは削れて『ささくれ』が出ていましたので、ベルトも新品に交換しました。
オルタネーターのプーリーはこんな状態になっていました。
外したオルタネーターのプーリーは見事に傾いていますが、何故か外れかけの『カラカラ』状態のままで保っていました。
オルタネーターのプーリーはセンターのナットとスプリングワッシャーだけで止まっていますがナットは緩んだ状態になっており、試しに締めてみても締まらず、緩めてみても緩まずの「フリーで引っ掛かっている状態?」とでも言いましょうか?そんな不安定な状態でした。
オルタネーターのプーリーが違う
新品のオルタネーターを着けようと新品を確認したら、ここで問題が発生。
新品のオルタネーターのプーリーが左側で、外したオルタネーターのプーリーが右側です。
プーリーが外側にでている高さが全然違いますね。型式を確認して注文しているのに何でこんなことになるんでしょう?
元のプーリーは取り付け部分のセンターがガタガタで新品には付けれません。
まあ、作業始める前に部品の確認していない私も悪いです。
ここで作業は一旦中止になりました。
オルタネーターのリビルト品を探す
注文した新品のオルタネーターは、付いていた元の部品と違うものが来たので、オルタネーターのリビルト品を探すことにしました。
ちなみに、「リビルト品」とは再生部品のことで、故障した部分をオーバーホールして内部の消耗品などをこうかんしてある非常にエコな部品です。
ただしリビルト品は大抵の場合は、外した不良部品をリビルト品の代わりに送るのが一般的ですので、外した部品は捨てないようにしましょう。
ベルトのテンショナーはやりにくい
BMWミニのベルトのテンショナーはとても狭い空間に付いていて、新しいベルトを付けるときはテンショナープーリーを緩めないとベルトを掛けれないのですが、テンショナープーリーには工具をかける部分も見当たりません。
何かしらの特殊工具が必要なのでしょうか?バールでなんとかプーリーを緩める方向に押しながらベルトを掛けました。
テンショナープーリーのスプリングが写真中心付近にみえるでしょうか?
狭すぎてやりにくいです。
オルタネーターの電圧を測る
1週間後にリビルト品がきたのでちゃちゃっとオルタネーターの交換を終わらせて、忘れちゃいけない電圧の測定をします。
リビルト品と言えど新品ではないので、めったには無いですが、たまに充電しない不良品があることがあります。
充電電圧の測定はオルタネーターのB端子にテスターのプラスをあてて、マイナスはボディーアースにあてて測定します。
充電電圧は13V後半~14V前半ぐらいあれば正常ですが15Vを常に越えるようであれば、過充電(充電しすぎ)となりレギュレーターの故障が疑われます。
ちなみにBMWミニのリビルト品の充電電圧は正常範囲内でした。
オルタネーターの寿命はどのぐらい?
みなさん、自分の愛車が走行距離が増えてくると色んな部品が壊れてこないか心配になるものですが、オルタネーターのような電装品だって内部のブラシやベアリングは消耗品ですので、いつかは必ず壊れます。
では、『いつ壊れるのか?』ですが、がブラシやベアリングの磨耗限界がくる12万~13万㎞ぐらいがガソリン車の平均データらしいです。
また、長時間の熱を受けるとオルタネーターの内部のベアリングは磨耗しやすいので、アイドリングで長時間放置するのは寿命が早くなりやすいようです。
オルタネーターの交換費用はいくらぐらい?
オルタネーターの新品の値段はわりと高めで、4万~5万円ぐらいが多いです。
リビルト品のオルタネーターで1万~2万円ぐらいでしょうか。
ただし、リビルト品はこわれた部品をかわりに送る前提の価格です。
オルタネーターの交換工賃は車種にもよりますが、だいたい5000円~10000円ぐらいが相場のようですね。
オルタネーターチェッカーとは何?
オルタネーターやバッテリーの状態を確認するために、わざわざボンネットを開けてテスターをあてなくても室内で確認できるグッズがあります。
しかも、安くてシガーソケットに挿すだけなので、手間いらずで安心です。
バッテリーとオルタネーターがいつ壊れるのかビクビクしながら毎日クルマに乗るよりは、ある程度状態がわかっていた方が安心ですね。