がれーぢブロガー

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【実例解説】CBR1000RR(SC57前期)エンジン始動不能の原因と修理記録

2019/04/14

(※2019/12/25 記事更新)

 

こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの「ぼす」です。

 

先日、「CBR1000RRのエンジンが掛からない。」という修理依頼があり、原因を探ることになりました。

 

CBR1000RRのエンジンがかからなかった原因を先に答えますと、12ボルト電源分岐カプラの端子の接触不良でした。

 

CBR1000RRの症状は、メインキーはオンになり、バッテリーも良好なのでセルモーターも回ります。

 

しかし、メインキーをオンにした時にガソリンタンクの中からフューエルポンプが「ウィーン」と回る音が聞こえないのです。

 

メーターにある、メインキーの『H・I・S・S』ランプ表示灯はキーオフで点滅して、キーオンで消灯するので異常はありません。

 

メーターの『FIランプ』はキーをオンにすると点灯したままです。

 

メインコンピューター『ECU』の自己診断機能に異常がメモリーされていれば、自己診断モードで異常箇所をFIランプの点滅回数と点滅の長さから調べることはできます。

 

しかし、自己診断モードにしてもエラーが記録されておらず、FIランプは点滅せずに点灯したままです。

 

今回の記事はサービスマニュアルにもあまり載ってないような症例ですので、同じような故障で悩んでいる方のヒントになれば幸いです。

 

 

CBR1000RR(SC57)のエンジンが掛からない

レプソルカラーのCBR1000RR(SC57前期型)のエンジンがかからない

CBR1000RRのメーターにあるFIランプは、メインキーオンで点灯するのと同時にフューエルポンプが『ウィーン』と3秒間位回って、フューエルポンプが止まると同時にFIランプも消えるのが正常な状態です。

 

その後、エンジンをかければFIランプが消えるのですが、エンジンをかけずにキーオンのままだと、3秒後ぐらいにまたFIランプが点灯します。

 

今回のエンジンが掛からないCBR1000RRは、メインキーオンでフューエルポンプが回らず、FIランプが点灯したままになってしまいます。

 

 

 

 

 

CBR1000RRのヒューズとリレーを点検してみる

エンジンがかからないCBR1000RRのカウルを取り外した状態

実は、こうなったのにはオーナーさんが思い当たる原因があり、オーナーさんが久し振りにエンジンを掛けようとしたらバッテリーが弱くなっていたので、バッテリースターターを使用して、間違えて24ボルトの出力でセルモーターを回してしまったらしいのです。

 

私が思うに、24ボルトの電圧でも一瞬だけセルモーターを回すぐらいなら大丈夫かもしれません。

 

しかし基本的には過電流も過電圧も電装部品を壊す原因になってしまうので、正しいやり方でジャンプスタートなりしてもらいたいものです。

 

話を修理に戻して、過電流が流れたと推測するならばフューエルポンプからみのヒューズが溶断している可能性があります。

 

しかしヒューズを全て点検するために左カウルの上半分を外してヒューズを点検してみましたが、全てヒューズは切れてません。

 

ヒューズは切れていないと言うことは、過電流は流れていないということになる。

 

疑うのは、フューエルポンプに関係しているエンジンストップリレーやフューエルカットリレーが故障してしまっている可能性です。

 

この年式でリレーがダメになることが考えにくいと思いながらも、リレー単体で一応通電させてリレーが「カチカチ」作動しているかチェックしてみます。

 

すると、リレーは正常に作動しています。

 

しかし、フューエルポンプには電源が来ていません。

 

しばし配線図とにらめっこし、私の頭の中に過電流が流れて時が過ぎて逝きます…?…?……

 

 

CBR1000RRの自己診断機能をチェックする

CBR1000RRのサービスマニュアル

CBR1000RRにはヒューズボックスの近くのハーネスにサービスチェックカプラがあります。

 

そのサービスチェックカプラを専用部品で短絡させることで自己診断モードにすることができるのです。

 

自己診断モードはFIランプの点滅回数や点灯間隔の秒数を読み取り、サービスマニュアルのエラーコード一覧表と照らし合わせて、どこの部品が故障しているかを調べることができます。

 

しかし故障したCBR1000RRは、自己診断モードにしてもFIランプは一瞬たりとも点滅せず、メインキーオンでずっと点灯したままです。

 

自己診断モードでFIランプが点灯したままということは、ECUにエラーの履歴が記憶されていないということになります。

 

通常、エンジンが掛かるけどFIランプが点灯した時などは、エラーが記録されているはずなんです。

 

しかし今回の場合はエンジンがかかる前に過電圧で故障したと推測しているので、サービスマニュアルに書いてあることが正しいとするならば、エラーは記録されていなくて当然です。

 

そしてサービスマニュアルには、こうも書いてあります。⬇⬇

『エンジンが始動できない場合は、セルモーターを約10秒間回せば、エラー信号を検出して、記憶されます。』

 

しかしこれも、試してみましたが、エラーは記録されていません。

 

これもダメかと、自己診断モードをあきらめ、僕自信もあきらめモードに入りたくなります。

 

この日はここで原因究明をおしまいにして休日に入りました。

 

 

過去のCBR1000RR(SC57前期)のメインキーがオンにならない故障を思い出す。

CBR1000RRのメインハーネスのビニールテープをめくる

休みがあけて真っ先に思い出したのが、過去に修理したCBR1000RR(SC57前期モデル)の『メインキーが全くオンにならない』という修理のことです。

 

今から、6~7年前のことだったと思うのでハッキリした症状や診断手順は覚えていませんが、このCBR1000RRもオーナーさんがバッテリー上がりの時にトラック(恐らく24ボルト)からジャンプスタートして以降、メインキーがオンにならなくなったという症状でした。

 

そして、そのCBR1000RRは某大規模バイクチェーン店(赤いお店)が1年以上も預かったにもかからわず、原因がわからず投げたバイクでもありました。

 

私もこのバイクはサービスマニュアルどうりに故障診断をしていき迷宮入りしました。

 

しかし2週間ほど迷宮入りしましたが、あるときメインハーネスの断線と思いハーネスをさわっていたときに一瞬だけメインキーがオンになったのです。

 

そして、見付けたのがメインハーネスに黒いビニールテープでグルグル巻きに沿わしてあった黄色いカプラでした。

 

 

CBR1000RR(SC57)の+12ボルト分岐カプラに焼けた跡を発見

赤い丸で囲ってあるのが12V分岐カプラー(CBR1000RR)

6~7年前に修理したCBR1000RRの黒いビニールテープでグルグル巻きにしてある黄色いカプラは、14ピン位の+12Vの分岐になっていて、そのうちの2本のピンが焼けて色が変わっていました。

 

ピンがロックされている樹脂部分は熱が加わったことにより、変形している状態でした。

 

これほど焼けて色が変形しているということは、元々、通電するには抵抗がある状態だったのか?と推測できますが、わかりません。

 

診断時点で黄色いカプラのピン部分はガタも無く、焼き付いて固くて抜けにくい状態になっていたので、焼けていない状態の黄色いカプラを調べてみないと抵抗があるのか、接触が悪いのかはわかりませんね。

 

ただ、これが原因なのは明らかであり、ピン部分を交換して、黄色いカプラを交換したら、すんなりと症状は直りました。

 

 

今回もCBR1000RRの黄色い+12V分岐カプラを点検してみる

エンジン右側にあるCBR1000RRの黄色い12V分岐カプラ

 

今回も断線箇所があるかと思い、キーをオンの状態でメインハーネス辺りをさわっていると「ウィーン、ウィ、ウィ、ウィーン」と明らかに接触が悪いときのフューエルポンプの音が聞こえました。

 

上の写真はグルグル巻きの黒いビニールテープを外した状態の黄色い14ピンカプラです。

 

 

CBR1000RRの黄色い14ピンカプラは今回も焼けていた 

エンジンがかからないCBR1000RRの黄色いカプラのピンに焼けている跡を発見

上の写真の青い○で囲ってある端子が焼けていました。ピンがロックしてある樹脂部分も茶色く変質しています。

 

こうなってしまったら、焼けたピンは通電するときの抵抗が大きくなり、焼けた樹脂部分はガタが大きくなって接触不良を起こします。

 

 

CBR1000RR(SC57)のサービスマニュアルにも黄色い14ピンカプラの事は書かれていない。 

CBR1000RRの青い丸で囲ってあるピンが接触不良を起こしていた

黄色い14Pカプラの青い○で囲ってある焼けていた端子を抜いて、端子を少し磨いてからすぐとなりの端子が空いているのでそこに端子を差し込みます。

 

黄色いカプラが熱でそれほど変形している様子は無いのでそのままカプラを使います。

 

ピンが焼けた箇所は使わないで、青い丸で囲った箇所にピンを差し込みます

空いている端子は3ヶ所あるので、また焼けることがあっても使えそうです。

 

ちなみに、この黄色い14Pカプラの事は、私が調べた限りでは、CBR1000RR(SC57)のサービスマニュアルには、まったく書かれていませんでした。

 

 

まとめ

今回のようなCBR1000RRの故障の事例は調べてもあまり出て来ないので症例は少ないのではないかと思います。

 

ただ、他車種なら結構症例があるのかもしれません。

 

 

いずれにしても、過去にマニュアルどうりに故障診断を行ってドハマりした経験があったので、サービスマニュアルどうりも大事ですが、色んな経験を積めば過去の事例から原因を突き止め、結果的に診断修理時間を短縮できるわけです。

 

12ボルトのバイクのバッテリー上がりに、24ボルト以上の電圧をかけることは、電子部品の故障につながる可能性がありますのでやめておきましょう。 

 

 

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