(※2019/12/10 記事更新)
こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの『ぼす』です。
今日は実際にあった、二輪車用のETCトラブルの話です。
二輪車用ETC車載機が普及した経緯
はじめに、知らない人の為に、
(二輪車用ETC車載器が、ある一定時期、普及した経緯。)
各メーカーが新車にETC車載器の装備を設定するようになって、『最初からETC車載器がついてるよ。』って車両も増えてきました。
後付けでETC車載器をつけている車両もたくさん見ます。
これほどETC車載器がふきゅうしたのは、2009年の3月末から、2011年の6月中頃まで続いた『高速道路の利用料金の上限を一律1000円にする。』と、当時の政府が決定した政策によるものと、ETC車載器の取り付け費用の大幅な割引制度によるものが大きかったと思います。
また、二輪車用のETCのメリットは、
スムーズに料金所を通過できる。
時間帯のETC割引制度で利用料金が安くなる。
スマートインターチェンジが使える。
などがあります。
私は、この中でも、スムーズに料金所を通過できるのは、一番ありがたいです。
ETCをつけていない時の料金所の支払いほど、わずらわしいものはなかったです。タンクバックの小銭入れからお金を落とした事も、何度もあります。雨の日なんかはグローブが濡れてて最悪ですよね。
料金所で時間がかかり、後続の車両の冷たい視線も意識して、申し訳なく感じてしまう事もありました。
ETCゲートを初めて通過した時は、ものすごいドキドキして、感動しました。
ETCカードのエラーか?ETCゲートが開かないバイクだけにしか起こらないと思われる現象。
さて、本題まで時間がかかりましたが、私はバイクショップの元サービスメカニック時代に、年に2回は、お客様との一泊ツーリングに参加してました。
まあ、会社行事なんで、あくまでも仕事で参加する立場なんですが、私はお客様とのツーリングが楽しみだったし、大好きでした。
私がいたバイクショップのツーリングは年々、参加者が増えて行き、多いときでは、50~70台ちかくのマスツーリングでした。
目的地も、片道400キロ前後の距離のところもあり、必ず1回は高速道路に乗る区間も出てきます。
ある時、大人数のツーリングで高速道路に乗る為に、ETCゲートを順番に通過しようと、徐行しながら進んで行くと、前方のバイクが止まって、ゲートが開いて無い状態でした。
その時は料金所の係りの人が高速のチケットを渡してゲートを通過してました。
あとでその人に話を聞いたら、ETCのインジケーターのLEDランプが点灯していなかったが、前後のバイクの間隔が接近していたので、そのままの流れで、集団についていこうとしたら、開閉バーが下りてきたそうです。
あとで、サービスエリアで休憩を取りながら、原因を調べたらETC車載器の電源線の接触不良によるものでした。
それ以外にも、お客様のバイクで、ツーリングの時にあったのが、インジケーターランプは正常に点灯しているのに、ゲートが開かなくて反応していない状態の時がありました。
これは、どういう状態かというと、ETCにはアンテナがあるんですが、ゲートを通過する際に電波の通信がスムーズに行えるように、取り付け説明書には取り付け位置や取り付け角度が記載されています。
しかし、見た目が悪くなるのを気にされて、その方のアンテナはメタリック塗装のカウルの内側に、外からは見えないように取り付けてありました。
メタリック塗装というのは細かい金属粉を塗料にまぜて塗装してあるのですが、電波が真っ直ぐ飛んでくるのを妨害してしまいます。さえぎられてしまった電波は当然アンテナに届きません。
これと、同様の症状が起きたのが、カスタムパーツでよく見る、カッコいいチタンコートなどのスクリーンシールドです。これもやはり金属の薄い被膜があるので電波が反応しにくくなる原因になります。
ETCアンテナの前方に金属の部品などがあると、電波の通信感度が極端に悪くなるので、おぼえておきましょう。
あと、よくあったトラブルはETCカードの入れ忘れですね。これは凡ミスだけど、一番多い原因です。出発前にミーティングで、高速道路乗るから、ETCカード入ってるか確認しといて下さいって言ってあっても、よくあります。
ETC車載器を持っていないと思われる悪い人達が紛れ込むことがある。
いちばんおおごとになったトラブルもありました。同じく、大人数のマスツーリングで目的地の最寄りのインターチェンジで、私たちのバイク集団だけが全員止められた事があります。
インターチェンジの係りの人の話しを聞くと、『○○インターチェンジから乗った大人数のバイク団体の中に、何台かエラーで認識出来なかった車両があるのでそういうバイク団体が来たら、確認を取らないといけないから、止めておいてくれ!』と、私たちが乗ったインターチェンジからの通報があったのだそうです。
この時は、確か1時間以上、確認の為に足止めを食らったので、日程スケジュールもおしてきて、みんなイライラしていました。
そして、車両のナンバーを係りの人が1台1台、ゲートの通過データと照らし合わせた結果、なんと、エラーで認識出来なかったのは私たちのバイク集団には1台もいなかったのです‼
「・・・は?」「どういう事?」って全員がびっくりと、イライラMAX状態になりました。
どうやら、私たちのバイク集団に紛れ込むように3台分のエラーが検出されたそうで、店長が防犯カメラ画像を確認したところ、確かに私たちの集団とは違う人が3台紛れこんでいたそうです。
悪質な意図があり、その人たちがわざと紛れこんで通過したのかはわかりませんが、集団であまり間隔を開けずにETCゲートを通過しようとすると、ゲートが開きっぱなしになる事があります。
しかし、その人たちがわざと紛れこんだにしても、高速を下りる時はどうするつもりだったのでしょうか?
乗ったインターチェンジのデータがなかったら最悪の場合は、その高速道路ルートの最大料金をはらわなければいけないことを理解していたんでしょうか?
謎です。
とにかく、これは初めての事だったので、私たちスタッフも、お客様も混乱していたのを覚えています。
まとめ
最後の話のケースは本当にまれだし、初めて顔を会わす人たちが多いツーリングでは、知らない人が紛れこんでいても、気づきようがありません。
皆さんも、ETCの凡ミストラブルにあわないように気をつけてバイクライフを楽しんでください。
それでは、また。