(※2019/12/16 記事更新)
こんにちは、フリーランス整備士ブロガーのぼすです。
・「軽トラのあおりをバイクが載せれるバイク屋使用に改造したい」又は、
・「軽トラにバイクを積載したときに固定できる専用のあおりを作りたいけど、どうやって作ればいいんだろう?」そんな悩みに応えます。
この記事では、自分の軽トラをバイク屋仕様にカスタムする方法と、実際にバイク屋さんから『バイク屋使用の軽トラのあおり』の製作依頼があったので、私自身が実際に製作した、簡単な製作工程や材料費などを記事にまとめました。
ぶっちゃけ、材料なんかは全てホームセンターで揃えられるので特別な材料発注などは有りません。
ですので、溶接や鉄工の経験が少しでもあれば、比較的簡単に誰でもバイク屋使用のあおりは製作できると思います。
私は、整備士業界をメインに20年ほどやってきて、その中で溶接や鉄工をする製造業も経験してきたので、簡単な鉄工のノウハウぐらいは持っています。
- 軽トラのあおりをバイク屋仕様にカスタムする3つの方法
- 軽トラにバイク2台は載せることが出来るのか?
- 軽トラに載せたバイクを固定するのはロープかタイダウンベルトか?
- 軽トラにバイクを載せるのに必要な物は?
軽トラのあおりをバイク屋仕様にカスタムする3つの方法
軽トラのあおりをバイク屋仕様にする方法は、いくつかあります。
- 軽トラの車種専用のあおりを購入する。
- 軽トラのあおりを作ってくれそうな鉄工所や鈑金屋に製作依頼する。
- 材料をそろえて、自分で軽トラのあおりを製作する。
この3つの方法を解説すると、
1.すでに出来ている製品を購入する。
2.製品が無いから、技術力のある人に製作してもらう。
3.製作する設備と技術力は持っているので、基本的には材料費のみで、自分で製作して安くあげる。
といった感じになります。
1・軽トラの車種専用のあおりを購入する。
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現在、日本の軽トラのあおりをバイク屋さん仕様にカスタムする方法は、バイク用のあおりを製作、販売しているメーカーさんから購入するのが一番手っ取り早いです。
ただ、色々調べてみた結果、インターネット上では「バイク搬送用」や「バイク屋仕様」の軽トラのあおりを製作、販売しているメーカーというのは数えるほどしかありません。
対応している車種も、「スバルのサンバー用」や「スズキのキャリー用」がほとんどで、「ダイハツのハイゼット用」なんかは皆無です。
そもそも、「軽トラのあおりをバイク屋仕様にしたい。」という需要が少ないと思われるので製作している会社も少ないのだと考えられます。
2・軽トラのあおりを作ってくれそうな鉄工所さんや鈑金屋さんに依頼する。
日本全国どこにでも「鉄工所」や「鈑金屋」といわれる場所があるので、「軽トラのあおりをバイク屋仕様に改造して欲しいのですが、可能ですか?」と聞くだけ聞いてみるのが良いかもしれません。
また、その際に「製作してもらったら費用はいくらぐらいになるのか?」聞いてみるのがおすすめです。
「送料込みでもネットで購入した方が安かった。」となる可能性があるので、概算で良いのでだいたいの製作費用を見積もって貰いましょう。
また、見積もって貰った結果がネットで購入した方が安い場合は素直に「安く購入できる所が見付かったので、せっかく見積もっていただいて申し訳ないですが、今回の話は無かった事にして下さい。」と告げましょう。
3・材料をそろえて、自分でバイク屋仕様の軽トラのあおりを製作する。
私自身が実際に製作した『バイク屋さん仕様の軽トラのあおり』を写真を交えて簡単に製作方法を解説します。
今回、私が製作したのは「ダイハツのハイゼット」のバイク屋仕様のあおりです。
ダイハツのハイゼット用のバイク屋仕様のあおりは、ほとんど存在しておらず、ましてや今回製作したのはハイゼットのキャビンが長いモデルの『ジャンボ』です。
キャビンが長いということは、荷台が短いということです。
普通で考えたらバイク屋さんは、わざわざそんな短い荷台の軽トラをベース車両に選ばないハズなんですが、バイク屋さんが言うには「普通じゃおもしろくないから」だそうです。
遊び心満載のバイク屋です。
バイク屋仕様の軽トラのあおり自作手順
- バイク屋仕様の軽トラのあおりの製作イメージを紙に書く(簡単な設計図)
- 実際の軽トラの荷台の寸法を測り、バイク屋仕様の軽トラのあおりに必要な材料を書き出す。
- 現実的な予算内で必要最低限の材料を購入する。(重要)
- 簡単な設計図をもとに材料を加工する。
- 簡単な設計図をもとに鉄工材料を溶接で仮付けする。
- 溶接の仮付けが終わったら、軽トラの荷台に仮に取り付けてみる。
- あおりが問題なく取り付けられれば、本溶接をする。
- 本溶接が終わったら、塗装する。
- 取り付けて問題なければ完成。
順番に詳しく説明していきますと、
1・バイク屋仕様の軽トラのあおりを自分で製作するには、まず、だいたいの製作イメージを紙に書いてみます。
すでに存在している製品の写真を手本にして簡単な設計図を書いても良いと思います。
2・必要な材料は、全てホームセンターの資材部などで手に入りますので、実際の軽トラの荷台の寸法から必要な材料を割り出して必要最低限の鋼材などを購入します。
3・の「現実的な予算内で必要最低限の材料を購入する」ですが、どういうことかと言うと、あんまり高すぎる材料は必要ありません。
高すぎる材料を購入したり、不要な材料まで購入してしまうと、結果的に、すでに出来ている製品を購入した方が安かったりする場合があるからです。
ちなみに、私が実際に購入した材料の費用は下の写真のレシートの通りです。
材料費の内訳(鋼材)
- 角パイプ(厚み2.3㎜ 50✖50✖2000㎜)
1,380円✖4本=5,520円
- 鉄製蝶番(75㎜幅)
498円✖6個=2,988円
- コの字型ボルト(8㎜)
98円✖10個=980円
- ミニ金具(横と後のあおり固定用)
148円✖4個=592円
小計10,080円
材料費の内訳(塗料スプレー)
- 塗装に使う、下地のプライマー
- ボディー色に合わせたシルバーの塗料です。
プライマーが1,180円。
スプレー缶塗料が848円✖2本。
小計2,876円
材料費は合計で12,956円でした。
4・簡単な設計図をもとに、材料を加工していきます。
必要な工具は『高速カッター』や『ディスクグラインダー』や『溶接機』などです。
5・簡単な設計図をもとに、鋼材を仮付け溶接していきます。
この時に注意するポイントは、溶接機の熱による材料のねじれや変形ですね。
しっかりと寸法通りに位置がきているか、確認しながら仮付けしていきます。
『コの字型のボルト』はタイダウンベルトのフックやロープをひっかける為のL字の金具が調度よいものが無かったため、コの字の金具を半分に切断して使います。
6・ 溶接の仮付けが終わったら、軽トラの荷台に仮に取り付けてみる。
もし、仮付けの途中で寸法通りに取り付け位置がきてなかったら、溶接の仮付けを切断してやりなおしになるので注意深く位置決めをします。
鋼材の加工、製作、溶接は仮付けの設計図通りの位置決めが全てと言っても、大げさではありません。
本溶接をしてしまったあとに位置ズレに気が付いても、修正するのは大変な労力と時間が必要なり、ヘタをすると1から作り直したほうが早かったりします。
7・あおりが問題なく取り付けられれば、本溶接をする。
図面を元にして加工した材料どうしの位置決めと、溶接の仮付けが完璧だったら、軽トラの荷台に仮に取り付けて、位置がしっかりと合っているか、確認します。
問題なく各部が取り付けできれば、本溶接していきます。
8・本溶接が終わったら、溶接部の穴開きがないかなど確認して、できるだけ無駄な出っ張りなどがないかも確認して塗装の準備に取り掛かります。
溶接をすると、表面には『スパッタ』や鉄粉が付いていてザラザラしているので、エアーブローしたり、表面の油分を取り除くため、『脱脂』します。
塗装するには先に、塗料の密着性を良くするために、塗装の下地に『プライマー』を吹き付けます。
プライマーが十分に乾燥したら、車体の色に合わせて塗装します。
塗装が乾燥するまで焦らずに待ちましょう。
9・ 取り付けて問題なければ完成です。
今回、私が製作した軽トラのバイク屋仕様のあおりは、かなり簡素化した設計なので、溶接機や設備がある人なら、簡単に製作できると思います。
⬆このノーマルのあおりが、⬇こうなります。
まとめ
軽トラのあおりをバイク屋仕様にカスタムする3つの方法
・軽トラの車種専用のあおりを購入する。
・軽トラのあおりを作ってくれそうな鉄工所や鈑金屋に製作依頼する。
・材料をそろえて、自分で軽トラのあおりを製作する。
【よくある質問】
軽トラにバイク2台は載せることが出来るのか?
軽トラに載せたバイクを固定するのはロープかタイダウンベルトか?
バイクを固定するのはロープが良いのか?タイダウンベルトが良いのか? との質問もよくあるのですが、この質問をする人はバイクをトラックなどに積み込んだ経験が無い素人だと思われます。
答えを先に言うと、素人はタイダウンベルトやラチェット式ベルトの方が簡単だし、無難です。
バイクをロープで縛る知識がある人はどちらでも良いです。
まず、大前提に『バイクを縛るためのロープの掛け方』というのは、ある程度の実践経験がある人にしか完璧にはできません。
バイクを縛る為のロープ選びも重要です。
素人がてきとうなロープで、てきとうにバイクを縛るほど、恐ろしいものはありません。
バイクをトラックの荷台の上で寝かさないように気を付けましょう。
軽トラにバイクを載せるのに必要な物は?
軽トラにバイクを積載するのに必要な物については、通常のトランポ車両に必要な物と違いはありません。
なお、詳しくトランポに必要な装備を知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。