2017/10/24
(※2019年11月21日 記事更新)
こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの『ぼす』です。
「バイクが低速の時や止まる直前にブレーキ鳴きが発生する。」
「バイクのブレーキがうるさい!」
「バイクのブレーキが鳴く(鳴る)」
「バイクのブレーキからへんな音がする。(異音)」
「バイクのブレーキからキーキーやゴーという異音がする。」
バイクのブレーキから音が出るのは正常ではなく、なんらかの原因があって異音がするので、異常が出始めたサインだと認識しましょう。
このようなブレーキからの音なりには何らかの原因がありますので、分解や修理や清掃などをして、対策をしてやれば、たいていのうるさい音は消えてしまいます。
ブレーキ鳴きの音のしゅるいとしては、「キーキー」や「キー」、「ゴリゴリ」、「ゴー」、「ギー」あるいは「シャー」といったブレーキをかけた時の音。
もしくは、ブレーキをかけていなくても走行中にホイール付近から「ゴー」や「ギー」「シャーシャー」など、このような異音がした場合は、一度ブレーキや足回りを点検して見ましょう。
- バイクのブレーキを点検してみる
- ブレーキ鳴き(ブレーキ異音)の原因(5ヶ所)
- ブレーキ鳴き(ブレーキ異音)の対策や修理(5ヶ所)
- 自分でブレーキを分解整備する際の注意点
- 他人のブレーキを分解整備する注意点
バイクのブレーキを点検してみる
バイクのタイヤ付近から異音が出た場合に最初に点検しなければいけない箇所は、この写真の部分。
ブレーキキャリパーと呼ばれる部分ですね。
車種によって形状が異なっていたり、ブレーキキャリパーの付いている数が、左右に二個だったりしますが、前輪部分だとこの辺りにほとんどの車種は付いてます。
写真の物はディスクブレーキ用のキャリパーですが、バイク用ではその他に、ドラムブレーキが一般的に使用されています。
ちなみに『ブレーキディスク』と『ブレーキローター』は呼び方は違いますが、同じ部品です。
このブレーキキャリパーの中には、ディスクブレーキを両側から挟み込むようにして配置されている「ブレーキパッド」があります。
✅ブレーキ・タイヤ周りの点検には
バイクを吊る方法【DIY】単管パイプで作るバイクハンガー - がれーぢブロガー
ブレーキ鳴き(ブレーキ異音)の原因(5ヶ所)
今回はディスクブレーキの異音に対して、どこを見ていけば良いかを見ていきます。
※ちなみにブレーキの分解整備は資格を持った方にしかできません。自分のバイクなら自己責任で、他人のバイクや車のブレーキを無資格者が分解整備すると罰せられます。
①ブレーキディスクのキズや歪み。
ブレーキディスク表面を見て、極端に深い溝や傷が付いている場合、キャリパーに小石などが挟まって付いた傷が原因かもしれません。
ブレーキローターに傷があると音がでる?
ブレーキディスク(ブレーキローター)に傷があると、ブレーキパッドの接触面が均等にブレーキディスクに接触しない為に、ブレーキパッドが擦れる音が出る事があります。
例えるなら、黒板や磨りガラスに爪を立てて、引っかいた時に鳴るイヤな音がありますよね。あの状態をイメージしてもらえばわかりやすいです。
また、事故車両などに多いのが、ブレーキディスクが歪んでいる事が原因による、走行中のディスクの回転に合わせて断続的に「シャーシャー」や「シュッシュッ」のような音が出る事もあります。
歪んだブレーキディスクを真正面から見ると、酷いものは波うった状態が明らかに見えたりします。
ブレーキパッドに接触する面もブレーキディスクが1回転する間に、でこぼこに接触する為にブレーキパッドが強く押し付けられたり、離れたりを繰り返します。
強く押し付けられた時には、接触面の抵抗が大きくなるため、接触面から音が出ます。
また、事故車両などで極端にブレーキディスクが歪んだものは、ブレーキの抵抗が大きすぎて、押して歩くと重たく感じます。
②ブレーキパッド接触面の線キズや凸凹がある場合や新品ブレーキパッドが馴染んでいない場合。
さきほどのブレーキディスクとブレーキパッドの接触面で音が出るのが、ブレーキから異音がする原因の99%ぐらいです。
新品のブレーキパッドとブレーキディスクが馴染んでいないと接触面が均等ではないので、「キーキー」音が出る事があります。
ブレーキディスクの説明でも言いましたが、黒板やすりガラスにツメをたてると不快なとってもイヤな音がしますよね。
あれと同じで、面同士の接触では無く、点で面と接触している状態です。
また、ブレーキパッド接触面のゴミや汚れ、油分によりブレーキパッド本来の制動性能が低下したりします。
前輪のブレーキパッドを交換したのに音がなる場合
前輪や後輪のブレーキパッドを交換してしばらくは、なじみが出るまで音が出る事があります。何百キロも走ってもまだ、異音が出ている場合は他に原因があるでしょう。
ブレーキから金属音(限界磨耗を知らせるためのキーキー音もある。)
車用のは、ブレーキパッドが減って限界使用までくると、限界を知らせる為に「キーキー音」が出る金属のプレート(パッドウェアインジケーター)が付いているパッドがほとんどですが、バイク用のは、ほぼ付いていません。
ゴリゴリした感触や異音は完全にアウト!
ブレーキパッドが限界までいくとブレーキをかけた時にゴリゴリとした擦れる音や感触になって伝わってきます。
この状態はブレーキパッドのベースプレートまで磨耗し始めているため、ブレーキパッドの使用限界を越えてしまった状態です。
限界になってもそのまま使用していると、今度はブレーキディスクがゴリゴリ減っていきます。
そうなる前に気が付ける場合がほとんどですが、車検の無い250cc以下のバイクでは意外と気が付いてない人が多いのも事実です。
乗りっぱなしで、消耗品に無頓着な人が乗っているバイクで、ヒドイ状態の物をいっぱい見てきました。
✅参考記事
バイクのブレーキパッドの交換時期とブレーキディスクの交換時期とは何を基準に言うのか? - がれーぢブロガー
③ブレーキキャリパーのピストンの戻りが悪いことによる原因。
音が出るのはパッドとディスクの当たり面なんですが、そもそもパッドをディスクに押し当てる働きをするのがブレーキキャリパーのピストンです。
このブレーキキャリパーのピストンの戻る動きが悪くなると、ブレーキレバーを離してもパッドがディスクから離れないブレーキパッドの「引きずり」という現象が発生します。
軽度のものは音が出る程度ですが、重症化すると、ブレーキが戻らなくなって、ブレーキキャリパーのピストンが固着して、押し歩きも重たくなります。
ブレーキキャリパーには油圧で押し出されるピストンがあり、このピストンの戻りが悪くなる事により、引きずりを生じるものと、キャリパーサポートのスライドピンの動きが悪くなることにより引きずりを生じるものがあります。
④ブレーキレバーやブレーキペダルの遊びの調整不良による原因。
ブレーキレバーやブレーキペダルの遊び調整が適切ではなく、ブレーキレバーやペダルの戻りの不良により油圧が少しだけかかったままになり、キャリパーのピストンが最後まで戻らなくなるパターンもあります。
純正のレバーやペダルではこのパターンは、ほぼ無いと思いますが社外品のバックステップに交換した時に、遊びの調整が適切ではないままになったりします。
社外品のレバー調整の遊び部分が無く、若干油圧がかかる側へ調整してしまった時は、ブレーキの『ひきずり』を起こします。
そしてひきずりを起こした結果、ブレーキから異音が出てしまう事があります。
また、メーカー純正部品以外のアフターパーツに交換してしまったときに、社外パーツの精度不良(寸法不良)などによって、『ひきずり』を起こしてしまう時もあります。
⑤ブレーキマスターのピストンの戻りが悪いことによる原因。
ブレーキマスターの動きが悪いことにより引きずりを生じる場合もあります。
ブレーキマスターシリンダーがブレーキフルードの劣化などにより固着しだしたりすると、油圧が思うように伝わらず結果キャリパーピストンの戻りが悪くなります。
ブレーキマスターの戻りが悪いと、ブレーキキャリパーのピストンに油圧がかかったままになり、結果的にブレーキパッドを押し付けて、接触面の抵抗が大きくなるため、異音が出てしまう事があります。
ブレーキ鳴き(ブレーキ異音)の対策や修理(5ヶ所)
異音の原因が判明したら、どのように修理、整備したらよいか、対策方法を説明します。
ブレーキディスクのキズや歪みの対策。
ブレーキディスクの線キズやディスクの歪みは修整すれば、直らないこともないですが、ブレーキディスクもブレーキパッドと同じで、基本的には消耗品です。
キズが深いものや、歪みの酷いものは、消耗品とあきらめて新品に交換しましょう。
ブレーキパッドの接触面からの異音の対策
ブレーキパッドの接触面の線キズによる異音は、ブレーキパッド接触面をペーパーヤスリなどで、きれいに整える。磨耗が著しくひどいものは交換する。
ブレーキパッドの面取り
新品のブレーキパッドが馴染まなくて音が出ている場合は新品のブレーキパッドの角を少しだけ、ヤスリで落としてやる。
この作業をブレーキパッドの『面取り』と言います。
それでも音が止まらない場合は他の新品のブレーキパッドに交換してみる。
また、ブレーキディスクとブレーキパッド接触面の清掃、油分の脱脂をする事によって、ブレーキパッド本来の制動性能を取り戻す事ができます。
これらの対処をせずに、一時的にでも異音を消す方法があります。
下記の記事ではその方法を紹介していますので覗いてみてください。
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ブレーキキャリパーのピストンの戻りが悪い時の対策
ぬるま湯と中性洗剤と使い終わったいらない歯ブラシで、キャリパーの清掃をする。
キャリパーピストンのもみ出しをして、ピストンが軽く動くか点検する。
重度のピストン固着のキャリパーはO/H(オーバーホール)する。
キャリパーのO/Hとは、ピストンの錆びや段付き、ダストシールやオイルシールの変型などをチェックして、少しでも異常な部品は交換します。
また、シールがはまっている溝にも、水分とブレーキフルードが化学反応して出来た物質やゴミが溜まっている場合はシールが入る溝を清掃します。
✅参考記事
【2stジムニーSJ30】ブレーキキャリパーのオーバーホール(分解清掃まで) - がれーぢブロガー
ブレーキレバーやブレーキペダルの遊びの調整不良が原因の時の対策
まず、ブレーキをひきずらない為に、適切な遊びの調整をして下さい。
とくに社外品のバックステップなどに交換した時は、要注意です。
社外品パーツのブレーキレバーの精度不良が原因で遊びの調整が出来ない場合は、純正品に戻すか、他の社外品パーツを試してみて下さい。
ブレーキマスターの戻りが悪い時の対策
ブレーキマスターのピストンが最後まで戻らない原因を調べる。
具体的には、ブレーキレバーやブレーキペダルの遊び調整が適切かどうかを点検する。
ブレーキマスターのピストン自体が戻りが悪い場合はブレーキマスターのO/H(オーバーホール)をする。
ブレーキマスターにゴミなどが入っていないか点検する。
ピストンシールは交換して、戻りのスプリングが弱くなっているものはスプリングを交換する。
自分でブレーキを分解整備する際の注意点
ブレーキのパッド交換や、スライドピンの交換ぐらいは特別に難しいことはありませんが、キャリパーピストンとブレーキマスターのオーバーホールはバイク屋さんに修理依頼することを強くお勧めします。
ブレーキキャリパーのスライドピンの固着はなぜ起こるのか? - がれーぢブロガー
ブレーキのエア抜きは完璧にする必要がある
オーバーホールには必然的にブレーキフルード交換が伴うのですが、ブレーキフルードを交換するときのエア抜きは完璧でなければなりません。
なぜなら、少しでもエアーが入っていると最大限の制動力を引き出せないからです。
結果、停止制動距離が長くなり大変危険です。
他人のブレーキを分解整備する注意点
分解が伴う整備で、エンジン、ブレーキ、クラッチは無資格者が行うのは危険で、ブレーキはその中でも特に危険になります。
自分のバイクは自己責任ですが、他人のバイクは絶対に分解整備しないでください。
なお、自分でブレーキのオーバーホールをする自信が無い人や、行きつけの整備工場が無くて困っている人は下記リンクのサイトから修理や車検の予約をするのがおすすめです。
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動かせないほどブレーキが固着していて乗る気がない場合
ブレーキが固着して動かせないほどの長期放置車両でも旧車、絶版車と呼ばれる車両は需要があり、思わぬ高値で取引されることがあります。
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終わりに
アクセルを開けたくなる思考にもブレーキをかける余裕を持ってくださいね。それではまた。
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