がれーぢブロガー

バイク、車、建設機械を経験した整備士が車やバイクのメンテナンスや修理方法、おすすめの工具などについて書いています。

バイクのスプロケットは交換時期が明確ではない。

2019/12/31
 
 
バイクのスプロケットの交換時期がよくわからないという人は意外と多いです。
 
スプロケットは消耗品ですので必ず『スプロケットの寿命』があるのですが、安全のため寿命がくる前に交換してしまうのが一般的です。
 
この記事ではメンテナンス初心者の以下のような疑問にお答えしています。
 
「バイクのスプロケットの寿命ってどのぐらい磨耗したらなのかなあ?」
 
「スプロケットの磨耗具合と交換時期の目安の走行距離はどのぐらいなのか?」
 
「自分でバイクのスプロケットを交換したいけど外し方がよくわからないなあ?」
 
結論から言いますが、バイクのスプロケットの交換時期は走行距離では判断できず明確ではありません。
 
スプロケットの交換時期は自分の目で実際にスプロケットを点検して判断するものです。
 
しかし、スプロケットがどんな減り方をしていたら交換しないといけないのかは経験豊富なメカニックじゃないと判断が難しいものです。
 
そこで、自分の目で実際に見て交換時期の判断がつくように、スプロケットがどのような磨耗のしかたなら交換基準なのかを解説します。
 
 

始めに・バイクのスプロケットの交換時期とは?

バイクのスプロケットの交換時期とは走行距離で判断するものではなく、スプロケットの歯(山)が変形しだしたら交換だと思ってください。

 

その他にもスプロケットの交換時期の判断基準とする磨耗のしかたがいくつかあります。

 

  • スプロケットのチェーンが当たる側面が極端に磨耗している。
  • チェーンとスプロケットの清掃・調整・給油を適切にしても走行中にチェーンから異音がする。
  • スプロケットの山と山のあいだの『谷』の部分がえぐれて磨耗している。
  • スプロケットの山が欠けてしまって何ヵ所か無くなっている。
  • スプロケットの山が鋭く尖ってしまっている。
  • スプロケットの山が波形に変形している。

 

これらの減り方に当てはまっている場合はスプロケットの交換時期が来ています。

 

もしくは、スプロケットの交換時期が過ぎてすまって寿命を迎えていると思ってください。

 

 

バイクのスプロケットの寿命

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バイクのスプロケットの寿命はスプロケットの歯が上の写真の右側のもののように波形に変形していたら寿命だと思ってください。

 

とくに、ドライブ側のスプロケットは歯数も少なく、小さいうえにエンジンパワーを受けて磨耗しやすいのです。

 

スプロケットの歯(ギザギザの山)が細くとがってきていたら寿命はとっくに過ぎていたと思ってください。

 

寿命が過ぎているのに、スプロケットが磨耗して細く尖った状態でもバイクに乗り続けているとたいへん危険です。

 

なぜならスプロケットが磨耗しすぎているとチェーンが外れたり、外れたチェーンがエンジンのミッションに穴を開けてしまったりするからです。

 

一番危険なのが外れたチェーンがちぎれて飛んでいき、後の車やバイクにぶつかることです。

 

 

バイクのドライブ側スプロケットとは?

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ドライブ側スプロケットとはバイクのエンジン側のスプロケットのことです。
 
『ドライブ側』とは『駆動する側』という意味です。
 
一般的にはドリブン側のスプロケットより小さいはずです。
 
 

バイクのドリブン側スプロケットとは?

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バイクのドリブン側スプロケットとは、リヤ・ホイール側のスプロケットのことです。
 
『ドリブン側』とは『回される側』という意味です。
 
一般的にはドライブ側のスプロケットより大きいはずです。
 
 
 

バイクのスプロケットの外し方

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バイクのスプロケットの外し方ですが、かんたんな手順は以下のようになります。

 

  1. チェーンを緩めてチェーンを外す
  2. スイングアームからホイールを外す
  3. スプロケットを外す
 
ただしホイールを外すにはバイクを吊るか、バイクにメンテナンススタンドをかけてリヤタイヤを浮かせる必要があります。
 
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バイクのメンテナンススタンドの選び方⬇⬇
 
スプロケットのボルトにはネジロック剤が塗られているので固い

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スプロケットのボルト、ナットには緩み防止のために『ネジロック剤』塗られている場合がほとんどです。
 
ナットは再使用不可ではありませんが、できるだけ新品のナットを用意した方が安全です。
 
 
スプロケット交換ではハブダンパーの点検も忘れずに。

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ホイールを外してスプロケット交換をするのだから、ホイールベアリングの点検とハブダンパーの点検もセットで行いましょう。
 
ホイールベアリングもハブダンパーもホイールを外した状態で点検するのがベストです。
 
 
ハブダンパーとは?

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ハブダンパーとはスプロケットとホイールの間にある硬質ゴム材質の緩衝材のことです。
 
この緩衝材が有ることによりスプロケットは急激に磨耗することがありません。
 
ハブダンパーの交換目安はハブダンパーが磨耗していて『ガタ』があるときやハブダンパーが千切れてボロボロなゴムのカスが出ていたら交換です。
 
 
リヤ側ホイールベアリングの点検方法

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ホイールベアリングのガタや磨耗具合を点検するのに一番かんたんなのはシャフトを入れてガタをチェックする方法です。
 
リヤホイールを外さなくてもスイングアームに付いている状態で、シャフトのナットを少しだけ緩めてガタを点検することもできます。
 
 
 

バイクのスプロケット交換に必要な工具は?

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バイクのスプロケットの交換はドライブ側もドリブン側もセットで交換するのが望ましくて、さらに言えばドライブチェーンもセットで交換するのが一番ベストです。
 
 
ドライブ側スプロケットの交換に必要な工具
  • ドライブ側スプロケットのカバーを外す工具(ヘキサゴンレンチや8ミリや10ミリのソケットなどが一般的。)
  • ドライブ側スプロケットの取り付けボルトを緩めるとこのできる工具(ミッションのシャフトのセンターに14ミリ位の1本のボルトで留められているか、外れ止めのプレートと8ミリ位のボルト止まっている場合が多い。)
 
 
ドリブン側スプロケットの交換に必要な工具
  • リヤホイールのシャフトを外す工具(14ミリから36ミリ位までのメガネレンチやコンビネーションレンチ)
  • リヤブレーキキャリパーを外すための工具
  • スプロケットの取り付けボルトを緩めるための工具(12ミリから17ミリ位のメガネレンチやソケット)

 

バイクのスプロケットの交換時期のまとめ

  1. バイクのスプロケットの交換時期は走行距離や年数で判断するものではない。
  2. スプロケットの交換時期は目視での判断が一番確実かつ重要である。
  3. ハブダンパーとホイールベアリングの点検も忘れずに。
  4. 自分で交換するなら工具は揃えよう!

 

 

 

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半ヘルメットのバカよりはマシ?OGKのJIS認証取り消しで思うこと。

2019/12/02

 

こんにちは。フリーランス整備士ブロガーです。

 

普段はこういう記事は感情論になりやすいのでなるべく書かないようにしているのですが、OGKのことよりもっと論点になるようなことが普通になんの話題にもならないまま日本では放置されているので取り上げたいと思います。

 

さて先日、OGKヘルメットについて、TwitterやSNSではさまざまな意見が飛び交い、軽く炎上騒ぎになりました。

 

ことの発端はOGKのヘルメットを生産する大阪のひとつの工場がJIS規格の認証を取り消されたというものです。

 

とはいえ、製品自体はJIS規格の基準を満たしており安全性に欠陥があるわけではなかったのです。

 

では、なぜこれほどまでSNSで議論されたのでしょうか?

 

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[http://www..com/

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Twitter上でのOGKヘルメットの愛用者の意見は「OGKのヘルメットはもう被らない…。」という意見と、「これからもOGKのヘルメットを使います。」という意見の二極化で別れています。

 

半ヘルメットのバカよりはマシ?OGKの認証取り消し問題

経済産業省によると東大阪市にあるOGKの製造工場では長期間にわたり製造行程の一部行程の管理に不備があり、品質管理体制が認証基準を満たしておらず、同社の認証を取り消したというものです。

 

一見すると、全てのOGK製品がJIS規格の認証を取り消されたように勘違いしている人達も見られましたが、実際のところは一部の工場の一部の製品のようです。

 

当初、経済産業省の最初の発表は製品にたいしての補足説明がなかったのに、さんざん世間が騒いだあとから翌日に追加の補足説明を発表しました。

 

 

[http://www..com/

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結局のところ、製品には欠陥があるわけでもなく安全性ではJIS規格の基準を満たしているので今までどおりにOGKヘルメットを心配なく使用できます。

 

私もOGKヘルメットのジェットヘルメットタイプを1つ持っていますが、軽くて丈夫ですので使い続けております。

 

OGK側の発表でも製品には問題がなかったことを発表していますが、バイク用品店ではOGKヘルメットコーナーが閑散とした状態になっているのもバイクユーザーのTwitterの投稿で見かけました。

 

やはり、影響はかなり出ているようですね。

 

 

メディアに振り回される人が悪いのか?経済産業省の発表の仕方が悪いのか?

ニュースや公的機関の正式な発表であるからと、自分の頭でしっかりと考える時間をとるよりも先に、とにかくSNSで拡散してしまう現象になってしまっているのが現代の流行りというか悪い習慣になってしまっている人達が多いのも問題です。

 

また、メディアやニュースの報道のしかたというのは、とにかく話題性があるうちに次々と新しい話題で飽きさせないために、情報を切り取ったり、言ってもいないことを付け足したりを平気でするのも事実です。

 

経済産業省という公的機関の公式発表が意図的に、製品にたいしての安全性には問題がなかったことを、最初の段階であえて発表しなかったかは狙いがあったのかは定かではありませんが、結果としてOGKヘルメットユーザーの不安を煽るかたちになってしまったのです。

 

どちらにせよ、情報の取捨選択をして自分の頭でしっかりと考える癖をつけておかないと、誤解された情報が拡散されていらん心配をしてしまうことになり、もし拡散する側になると間違ったじょうほうを拡散してしまう事にもなったりするのが恐ろしいところです。

 

 

JISマークやSGマークすら無いヘルメットを選ぶ若者もいる

Amazon、楽天、Yahooショッピングなどのインターネット通販では、無限に多種多様なヘルメットを販売しています。

 

もちろん、アライやショーエイなど日本の優良メーカーの商品を取り扱うECサイトもありますが、そればかりではありません。

 

中国輸入ビジネスの加速とともに、『安かろう悪かろう』の商品が大量に販売されるようになりました。

 

日本の安全性の規格を満たしていないにもかかわらず、さも安全であるかのように販売して売るゲスな業者(個人事業も含む)が当たり前のように何食わぬ顔で利益をあげています。

 

無知な若者に関しても同様に罪です。

 

低価格、デザイン重視のヘルメット選びをしていて、日本の安全規格のことなど知らない人もたくさんいます。

 

半ヘルメットのバカなんて問題外です。


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だけど現状はどこでも中国製のクソみたいなヘルメットが買えるし、買う側も無知なヤツはなんの疑いもなく使用していることが大いに問題ではないでしょうか?

 

 

私はべつに、OGKと利害関係があるわけでもないので思ったことを書いていますが、みなさんはどうでしょうか?

 

世の中には改善していった方が良いことがたくさんあるはずなのに、どうしても私達はメディアに取り上げられたことに注視しがちです。

 

話題なことに関連する問題で、もっと議論したり教えてあげないといけないことと言うのは、回りを見渡せばきっとたくさん転がっているはずです。

 

 

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ブレーキキャリパーのスライドピンの固着はなぜ起こるのか?

2019/11/17

 

こんにちは。フリーランス整備士のぼすです。

 

ブレーキキャリパーにスライドピンという部品があるのですが、ブレーキパッドやブレーキキャリパーのピストンの状態を気にする人はいても、スライドピンの状態を気にする人は少ないのではないかな?と個人的には思っています。

 

そもそも、スライドピンの存在じたい知らない人やスライドピンがついている意味すら知らない人も多いです。

 

今回は少しブレーキキャリパーのスライドピンについて解説します。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因は?

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ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因は錆び付きです。

 

まずグリス切れが起こり雨水などがピンとブーツのすき間に浸入してスライドピンの錆び付きが起こります。

 

実際には錆び付いてスライドピンが固着するひどい状態になるには、かなりの年数を放置しないとならないと思いますが、実際に乗っている車両でも何年もノー・メンテナンスだとスライドピンは錆びて表面がガタガタになっていたりします。

 

ブレーキキャリパーのスライドピンが固着する原因はこれが全てです。

 

ここで記事を終わらせてもよいのですが、実際にスライドピンの固着状態を見てしまったら見て見ぬふりをするわけにもいきません。

 

参考動画↓

 

 

ここからはブレーキキャリパーのスライドピンの役割と交換について解説します。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンの役割は?

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ブレーキキャリパーのスライドピンの役割ですが、シンプルに『キャリパーじたいがスライドするため』です。

 

ブレーキキャリパーには対向4ポッドピストンや片押しの2ポッドピストン等の種類がありますが、片押しのキャリパーの場合はキャリパーじたいを動くようにしておかないと、ブレーキパッドが均等にブレーキディスクを挟むことが出来なくなってしまいます。

 

これが、スライドピンの役割であり付いている理由であります。

 

 

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンのグリス切れとは?

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ブレーキキャリパーのスライドピンのグリス切れとはそのままの意味ですが、あえて言うならスライドピンにはスムーズにスライドさせるためにグリスが塗ってあります。

 

このスライドピンのグリスは年数が経つと固形化してきたりして、乾燥してしまいます。

 

固形化したグリスは潤滑性が劣るのでスライドピンの動きが悪くなります。

 

この状態がスライドピンのグリス切れですね。

 

参考動画↓

 

ブレーキキャリパーのスライドピンはガタがあるのが正常なのか?

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ブレーキキャリパーのスライドピンにガタがあるのが正常な状態なのか?についてですが、結論から言うとガタがあっても正常です。

 

スライドピンはスライドして機能しています。

 

ピンがスムーズにスライドする為にはすき間にグリスが無いとピンが磨耗してしまいます。

 

しかし、極端にガタが大きいものはスライドピンが異常に磨耗していることが考えられるため分解してスライドピンの点検が必要です。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンのゴムは何のためにあるの?

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ブレーキキャリパーのスライドピンのゴム(ブーツ)はスライドピンに塗るグリスを保持しておく役割と、スライドピンに砂ぼこりや雨水が直接つかないように、ダストブーツの役割もあります。

 

 

 

スライドピンのゴムは消耗品です

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ブレーキキャリパーのスライドピンのゴムは破れていなくても定期的に交換した方がよい消耗品です。

 

これはゴム部品の全てに言えることですが、ゴム部品は経年劣化で固く変質したり、目に見えないひび割れなどが絶対に起こるため、砂ぼこりや雨水が侵入してしまいます。

 

雨水などの水分のほかに、湿気が多い場所での長期保管でも錆が発生してしまったりするので湿気が多い日本では特に長期放置車両は要注意ですね。

 

長期放置車両のスライドピンのゴムはケチらずに定期的に交換しましょう。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンの交換方法

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ブレーキキャリパーのスライドピンの交換方法ですが、スライドピンの頭が普通のボルトと同じように六角形になっているピンと、上の写真のようなボルトの頭にピンが付いているような形状のものが一般的です。

 

普通のボルトと同じような形状のスライドピンは交換の説明は要らないかと思いますが、上の写真のようなスライドピンにはたいていの場合『ネジロック剤』が塗り付けられているので緩める際は固いと思います。

 

工具も厚みがうすいスパナ(だいたい12mmがほとんど)しか使えない場合が多いです。

 

このタイプのスライドピンはキャリパーサポート(スイングアームなどに固定されている部分)に取り付けてあり、ブレーキキャリパーを先に外そうにも外れないようになっています。

 

スライドピンを外す手順は以下になります。

 

  1. ブレーキパッドを外す。
  2. スライドピンの取り付けを緩めて、ブレーキキャリパーと一緒に取り外す。

 

スライドピンを交換するなら、ブーツ(ゴムの部品)もセットで交換しておきましょう。

 

 

ブレーキキャリパーのスライドピンはバイクだけに付いてるの?

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ブレーキキャリパーのスライドピンはバイクも車も重機でも付いています。

 

一般的な片押しのディスクブレーキであれば、一部の特殊なブレーキキャリパーをのぞいては、ほぼ、ほとんどのディスクブレーキに備わっていると言っていいでしょう。

 

 

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CB400SFのセルモーターの交換方法(教習車)

2019/11/11


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どうもこんにちは。フリーランス整備士のぼすです。

 

バイクのセルモーターの交換って簡単な車両と、やたら邪魔臭くてやりにくい車両があるんですけど、今回のCB400SFは邪魔臭くてやりにくいほうの車両と言って良いでしょう。

 

同じCBでもCB750は簡単に交換できるのになんで同じホンダ車でこんなにも違うんだろうね。

 

まあ、設計するときにバイクの場合はコンパクトに部品をまとめないといけないってのが理由ですけどね。

 

 

CB400SFのセルモーターの交換方法

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はい。邪魔くさいCB400SFのセルモーターの交換方法ですが、コンパクトにまとまっているエンジンまわりのせいでセルモーターの取り付けボルトすら見えません。

 

見えないのならばと工具だけでも取り付けボルトに掛けることができないかと、手探りでやろうにもウォーターパイプが邪魔だし、それ以前にキャブレターが邪魔なんです。

 

まず、手順を先に言っておきます。

 

  1. バッテリーの端子をマイナス、プラスとも外す。(確実、安全に作業する為)
  2. キャブレターを外す段取りのためガソリンタンクを外す。
  3. エアクリーナーボックスの取り付けボルトを取り外してエアクリーナーボックスを後にずらす。
  4. キャブレターを取り外す。
  5. ウォーターパイプを外す。
  6. セルモーターを外す。
  7. 交換したら逆の手順で組み上げる。

 

簡単に説明すると上記の手順の通りです。

 

もちろん、ウォーターパイプを外すのでクーラント(冷却水)を先に抜いておく必要があります。

 

 

手順1、バッテリー端子とガソリンタンクを取り外す

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簡単な説明だけではよくわからないと言う人の為に画像を交えて解説します。

 

まずは、バッテリーのマイナス、プラスとも端子を取り外してください。

 

セルモーターは電装品です。電装品を取り外したり交換するときにバッテリー端子がつながっている状態で外したらどうなるか?

 

セルモーターの場合だとバッテリーリレーからのB端子を外すときに工具をかけますが、メインキーがOFFならリレーからの電流は流れていませんが、万が一メインキーがONのまま忘れて作業すると、工具が車体の金属部分に触れたとたんに『バチっ!』とスパークしてしまいます。

 

バッテリーリレーがOFFならバッテリーからの電流はセルモーターまで流れないはずです。

 

しかし、安全に作業する為にはねんのためバッテリーの端子を外しましょう。

 

ガソリンタンクも作業の邪魔なので取り外します。

 

ガソリンが多くてタンクが重たいなら、ガソリン携行缶にでもガソリンを抜いて入れておきます。

 

 

手順2、キャブレターがとにかく邪魔だからバコンと取り外す

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キャブレターがとにかく邪魔なんですが、キャブレターを取り外すためにはエアクリーナーボックスをずらさないとキャブレターは外れません。

 

ですのでエアクリーナーボックスの取り付けボルトをまずは外します。

 

エアクリーナーボックスをずらせたらキャブレターを取り外します。

 

キャブレターにはフューエルホース(燃料ホース)、負圧ホース、スロットルケーブル(アクセルワイヤー)やチョークワイヤー、車種によってはスロットルポジションセンサーの配線などが取り付けてありますので、邪魔なものは取り外します。

 

キャブまわりの邪魔なものが外れたらキャブレター本体を外します。

 

 

手順3、キャブレターがとにかく邪魔だから外したのに今度はウォーターパイプが邪魔

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とにかく邪魔なキャブレターを取り外したら、やっと作業ができそうな気がしませんか?

 

キャブレターを外したら、エアクリーナーボックスも外しておけば、さらに空間が広がり作業がやり易いです。

 

「さあ、セルモーターを取り外すぞ!」

 

と、セルモーターの取り付けボルトにアクセスしたいところですが、セルモーターの取り付けボルトの直線上にはウォーターラインのパイプがあって、どう考えてもウォーターパイプを外さないと取り付けボルトもセルモーターも外れません。

 

 

手順4、とにかく邪魔なウォーターパイプとにらめっこ

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上の写真は、セルモーターの取り付けボルトの直線上にあるウォーターパイプです。

 

「ホンダの設計者さんよ、なんでこんな邪魔な取り回しなんだよ💢💢💨」と、心のなかの声がつぶやきます。

 

しばし、ウォーターパイプとにらめっこして、なんとかウォーターパイプを外さずにセルモーターを取り外せないか考えます。

 

が、時間の無駄です。

 

『急がば回れ』という先人の教えにしかたなく従いウォーターポンプ付近のドレンボルトを取り外して冷却水のクーラントを抜きます。

 

 

手順5、にらめっこして負けたのでウォーターパイプを取り外す

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にらめっこして負けたので、手間ですがウォーターパイプを2本取り外します。

 

ウォーターパイプはシリンダーブロック側に取り付けてあるボルト1本だけ外せば抜けます。

 

ウォーターパイプの外側にはオーリングが付いているので無くさないようにしましょう。

 

 

手順6、やっとの想いで愛しの取り付けボルトとご対面

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ようやくセルモーターの取り付けボルトに逢えました。

 

想えば長い道のりでしたね…。

 

世話のかかる子ほどかわいいと言いますが、やっと巡り会えたボルトは愛しくも感じます。

 

それはさておき2本の取り付けボルトをはずしましょう。

 

 

手順7、たかがセルモーターごときが手間かけやがって

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たかだかセルモーターですが、厳重な警備に守られて、ぬくぬくと温室で育てられた結果、過保護に手をかけてやらないと外れてくれないことが解りましたね?

 

当時の設計者さんはコンパクトに配置できたら金一封でも貰えたんでしょうか?

 

おかげさまでメンテナンス性は格段に悪いです。

 

たかがセルモーターの交換ごときに時間が掛かりますね…。

 

 

手順8、セルモーターの取り付け穴でも覗いてちょいと休憩

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上の写真はエンジンの右側からセルモーターのシャフトの取り付け穴を眺めてみた構図です。

 

特に意味はありませんが、しいて言うなら古くなった車両はここの部分のオーリングがダメになってエンジンオイルが滲んできていたりするので要チェック✔です。

 

問題なければちょいと休憩です。

 

 

手順9、セルモーター交換したら今ならオマケの交換作業がついてくる

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新品のセルモーターに交換したら、外したウォーターパイプをそのまま取り付けたいところですが、ウォーターパイプのオーリングは絶対に換えておいた方がよいです。

 

試運転して最後に水漏れしたなんて最悪です。

 

最低でもオーリングが固くないかや、ひび割れがないか位はチェック✔しておきましょう。

 

 

手順10、めんどくさいが逆の手順で取り付ける

今まで外した部品たちをめんどくさいですが、もとに戻します。

 

外したときと逆の手順で取り付けていきます。

 

キャブレターをインシュレーターにはめるときに固くて入りにくい時はインシュレーターが古くなってカチカチになっている可能性があるので、インシュレーターも交換したほうがスムーズにキャブレターを取り付けれます。

 

 

試運転して問題なければ作業終わり

エアクリーナーボックスまで取り付けたら、ガソリンタンクを取り付ける前にラジエターから新しいクーラントと冷却水を入れていきます。

 

ラジエターキャップの口からエアがポコポコ出てこなくなったらラジエターキャップを取り付けて試運転してみます。

 

試運転して水漏れなどをチェックして、出来れば近所を試乗してみて問題がなければ作業終了です。

 

お疲れさまでした。

 

 

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