がれーぢブロガー

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サンバーのエンジン載せ替え費用はいくら?リビルトエンジンが最もコスパよしです。

2019/04/08

(※2019/12/20 記事更新)

 

こんにちは。フリーランス整備士ブロガーの「ぼす」です。

 

過去の記事で、スバル・サンバーのエンジン始動不能の修理依頼を受けた内容を書きました。

 

サンバーは冷却水ラインの管理をマメにしないと冷却水漏れや、冷却水ラインへのエアの混入により、オーバーヒートになりやすい車両でもあります。

 

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修理のサンバーの症状としては、エンジンのセルモーターは回って、エンジンはクランキングはするが、エンジンがかからない状態です。

 

ラジエターキャップを開け、少しだけ水を入れてエンジンをクランキングしてみるとボコボコと吹き返してきます。

 

スパークプラグを外してみると、プラグの先端には水が付いていました。

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状況から考えてシリンダーヘッドに亀裂が入っているか、ヘッドガスケットが冷却水路側に貫通しているか…などが予想されます。

 

今回は運よく部品取りのサンバーのエンジンを格安でゆずっていただける事になったので、エンジンを分解せずに最初から載せ替えする段取りになりました。

 

エンジンがダメになってしまった原因は、エンジンの冷却水が漏れてしまったことにより、オーバーヒート状態でエンジンが停止するまで走行してしまったからです。

 

冷却水が少なくなってしまったエンジンは、異常な熱をもち、シリンダーヘッドが歪んだり、ヘッドガスケットが吹っ飛んだりします。

 

 

 

 

サンバーのエンジン載せ替え費用はいくらぐらいか?

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サンバーのエンジン載せ替え費用ですが、新品エンジンに交換する場合とリビルトエンジン(再生品エンジン)に交換する場合、そして、中古品のエンジンに交換する場合とで費用がかなり異なってきます。

 

  • 新品エンジンはスバルに直接お問い合わせください。(個人的にはリビルトエンジンで十分だと思うからです。)
  • リビルトエンジンで10万円~20万円ぐらいといったところ。
  • 中古品エンジンは平均30000円ぐらい。(ヤフオク!平均落札価格調べ。)ただし、中古品エンジンは、当たりハズレあり。

 

エンジンをどこから用意するかで、エンジン交換費用が大きく変わりますが、エンジンの載せ替え工賃はだいたい同じです。

 

 

基本的にはリビルトエンジンが安心

サンバーのリビルトエンジンは10万~20万円の間ぐらいで販売してますが、格安の中古エンジンに比べれば安心です。

 

調べて注文するときは必ず型式と年式は確認しておきましょう。

 

 

 

 

サンバーのエンジン交換工賃は?

スバル・サンバーのエンジン交換工賃は30,000円~40,000円といったところが相場です。

 

作業時間で4時間~5時間が目安のようです。

 

 

 

 

サンバーのエンジン載せ替え

スバル・サンバーのエンジンを載せ替えするのは、さほど難しくありません。
 
ある程度の整備の知識と経験と工具があればできます。
 

 

サンバーのエンジン載せ替え(スーパーチャージャー)

サンバーにはスーパーチャージャー付きのモデルがありますが、エンジン載せ替え作業はスーパーチャージャー無しのモデルとほぼ変わらないです。

 

エンジンの価格は異なりますが、エンジンの載せ替え工賃もほぼ変わらないです。

 

 

サンバー(TT2)のエンジン載せ替え方法

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スバル・サンバーのエンジンを載せ替えするときはリフトがあれば理想的ですが、リフトが無い場合でもジャッキで車を持ち上げて、馬ジャッキをフレームにかけて作業できます。
 
下側に潜っての作業がメインになりますが、要領さえつかめば難しくありません。
 
サンバーのエンジンはミッションと同時に下ろして、下ろした状態でエンジンだけを交換するか、エンジンだけを下ろすかでやり方の手順が少し違います。
 
 
ミッションと同時に下ろすときは、ドライブシャフトやプロペラシャフトもはずして、ミッションのシフトワイヤーも外します。
 
マフラーやエキパイもはずして、エアクリーナーボックス、ウォーターラインのホース、燃料ホース、各種配線カプラ、あとエンジン側のアース線、ミッション側のアース線、スピードメーターのケーブルやセンサーも外します。
 
エアコン付きの車両はエアコンのコンプレッサーの取り付けボルトを外して、エンジンを下ろすときに邪魔にならないように荷台にタイラップなどで仮につるします。
 
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エンジンだけを下ろすときは、リヤのエンジンマウントとフレームをはずしてミッションとエンジンを切り離します。
 
燃料配管はガソリンタンクが満タンでは無くても、以外とガソリンが滲んで垂れてくるので、燃料ホースを外したら要らない径の合うホースでUターンさせておけばよいです。
 
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冷却水は先に抜いておきましょう。エンジンのウォーターポンプ下のドレンと、ラジエターのドレンからほとんどの冷却水は抜けます。
 
プロペラシャフトを外したら、ミッション側のシールも注文して交換したほうが無難です。
ミッションオイルが漏れてきたら二度手間ですからね。
 
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無事エンジンを下ろしたら新品エンジンやリビルトエンジンに載せ替える段取りをしますが、センサー類などエンジンに付属している物はだいたい付け替えになるでしょう。
 
私は今回もう1台の部品取りサンバーを横に並べて中古エンジンを取り外し、エンジンを横に並べてオルタネーターとサーモスタットの配管だけは、ダメな方のエンジンから付け替えました。

 

(サーモスタットの交換記事⬇⬇)

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その他、エンジンを下ろしたついでにやりやすい箇所はやってしまおうとタイミングベルトとウォーターポンプのセット交換、サーモスタットの交換とプラグの交換をしました。

 

なお、ウォーターポンプとタイミングベルトの交換手順はこちらの記事に書いてあります。

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あと、部品取り車両のエンジンはプラグコードがダメになっていて、プラグコードから火花がリークしていたのでプラグコードをコイルごとダメな方のエンジンから付け替えました。
 
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マフラーやエキパイの遮熱板も錆びてボロボロだったので、部品取りさせていただきました。
 
エンジンを載せる前に、車両側のやり易いところは全て交換してしまいます。
 
エンジンと冷却水配管をつなぐ4本のホースは冷却水のにじみ跡があったので、ホースとホースバンドは全て交換しました。
 
ひととおり点検して、問題なければエンジンを載せてエンジンを下ろす準備の逆の手順で外したものを組つけていきます。
 
 

今回、エンジンがダメになった原因のヒーターラインの配管を、エンジンを載せたあとで交換しました。

 

その時の記事はこちらに書いてあります。

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冷却水ラインとヒーターラインの怪しい箇所がないか、念入りに調べて問題なければクーラントを入れていきます。

 

サンバーはエアが抜けにくいと大評判の車種でもあります。

 

しかし、正しい手順でエア抜きをすれば問題なくエアが抜けます。

 

エア抜きの手順についてはこちらの記事に解説してあります。

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エア抜きを完璧に行ったら試運転してもいいですが、部品取り車両が何年前から動かしてないサンバーなのかよく分かりません。

 

ですので、エンジンオイルやオイルフィルターも何年前のものか分からないから交換します。

 

試運転して冷却水漏れやオイル漏れがないか、しっかりと確認します。

 

サーモスタットもキチンと機能しているか確かめるため、ラジエターファンが回るまでガンガン水温を上げていきます。

 

ヒーターが効いてオーバーヒートもしなければOKですが、水温計がふりきったりヒーターが効かなかったりした場合はエア抜きのやり直しです。

 

プロペラシャフトを外したら、ミッションオイルが多少は漏れてくるので、ミッションオイルもついでに交換した方がよいですね。

 

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